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2015年12月05日02:44

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フィンランド映画祭2015

フィンランド映画祭2015

もう完全に遅れてしまったけど、一応まとめて記しておきます。

カチンコ『ラブミッラ(原題)』

 オープニング作品。
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いまやTV番組でもおなじみシルック坂根さんが司会と通訳を務める第7回目のフィンランド映画祭。
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(左から駐日大使、テーム・ニッキ、ヤニ・ペセ、エサ・イッリ)
今年も不安は本国フィンランド制作の字幕だが、ここ2〜3年よりマシかな?

 日本でもよくあるが、TVシリーズの集大成として映画化されたのだそうで、その流れを知っていればキャラクターや設定にすんなり入り込めるのだろうが、一見さんは少し戸惑うかも。

 フィンランドでも若年層は未来に対して希望を持てにくく、ネガティブになりがちなのだそうで、そういう側面からのアプローチも見られる。
日本語表記がデザインとして取り入れられたりサブカル色たっぷりの闇鍋のような楽しさがある。

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上映後に監督とプロデューサーのティーチ・インがあった。

 来年にDVD化が決定しているが、タイトルは未定。
(たぶん翻訳もプロ仕様になるだろう)


カチンコ『ビデオダイアリー』

 高校最後の年を舞台に傷つきやすい多感な年頃のイェシカ、イェンニ、タル、アイノといった仲良し4人組女子たちそれぞれの恋の挫折を描く。
子供から大人への成長段階を示すように、様々な試練が訪れる。
若さゆえに傷つく姿に共感を覚え、立ち上がる姿には仲間の存在のありがたさも感じる。

 ロケとなっているヘルシンキの風景も楽しい。
オムニバス形式のボタンの役割をはたすユニークなアニメーションがいいアクセントになっている。

 救いの光を感じさせるあたりに監督の暖かなまなざしを感じる青春映画。

 上映後にはエサ・イッリ監督によるティーチ・イン。

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カチンコ『2人だけの世界』

 力作。それもそのはず、今年のフィンランドアカデミー賞で最優秀映画賞や最優秀監督賞など4部門を受賞したそうだ。

 フィンランドの男子には兵役の義務がある。
吃音障害のある主人公ヨニはそこから脱走して、罰として青少年更生施設で働かされることとなる。
そこで逃げ出そうとする子供たちの監視をしなければならないという皮肉な仕事。
互いに疎外感を持つもの同士、意気投合したのか手におえない少女ライサと<愛の逃避行>に走る。
身勝手な行動のツケを払わされる二人だが、幻想と現実が入りまじる不思議な物語を追った撮影がまた見事。

 フィンランドの地理には詳しくないが、劇中で登場するような怪しげな輩の所有する島ってあるんだろうか。ピンと張り詰める空気を感じた。


カチンコ『サマー・フレンズ』

 幼少時からの親友のイーリスとカロリーナは夏の間、フィンランドの最南端の町ハンコでウエイトレスのアルバイトをしに行く。
だが期待していた宿が貧相で幻滅したために、同僚エーヴァに頼み込みその子の伯母の持つ魅力的な別荘に同居させてもらうことにする。
25歳というバカをするには大人になりすぎて、しかしシリアスにはまだ人生をとらえきれない年代のひと夏の甘く苦い体験。

 女性監督の視点を感じるのは恋をしても妊娠の心配や体験談など詳細に語られること。
性に奔放であっても女性の心情をさりげなくとらえているのではないか。
同じ題材を男性監督が撮ったらこうはならなかったであろうと思われる。
女性のツレしょん・シーンなんて男には浮かばない気がする。(笑)
また性行為が何度か描かれるが、露骨な表現で性を売り物にしない配慮も女性監督らしさを感じる。

 ちょっとライアン・ゴズリング似のイケメン達とのアバンチュールはありがちな展開を見せるが、フィンランドの美しい風景や色彩豊かな衣装などが目を楽しませる。
イナリ・ニエミ監督の初長編映画監督作というだけあり、編集や演出にぎこちなさは感じるもののチャーミングさがあり、落としどころも子供以上大人未満を思わせる。

 ところで、上記4本の字幕翻訳は同じ人だったが、特に本作が気になった。
フィンランド語で「モイ」は英語のハーイやイタリア語のチャオのようなものだと知っていても、さすがに字幕でこの表記はないと思う。他にも字幕としては違和感を覚える箇所が多々あり作品鑑賞には少なからず悪い影響を与えていたと感じた。

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カチンコ『Armi elää! (原題)』

 これのみ公開が決定している作品。(邦題不明)

 フィンランドのファブリック業界に旋風を巻き起こしたアルミ・ラティアの人生を描く映画なのだが、単なる伝記じゃなく舞台を作るというインサイド劇に仕立てているのがユニーク。

 戦後まもなく、高い志と強い意思で自身のファブリック会社を立ち上げた苦労話は大変興味深く拝見できた。
価値の低かった業界を一変させたプリントの工夫や自前でショーを展開する販売方法と多角経営に乗り出すなど、後の先駆けとなるアイディアに満ちていたのがよくわかる。
会社を大きくするにはアルミ自身は強くあらねばならないのだろうが、その反面ワンマン経営は孤独とも結びつきやすい。
成功の代償は少なからず暗い影を落としていて人間アルミの心理をよく描いていたと思う。

 劇中劇形式は珍しくないかもしれないが、描写自体がスタイリッシュなので映画よりも舞台のテーストが強い。ファッショナブルな映像も見どころだろう。
演じる女優の内面もまた演出される二面性は、アルミの持つ強さと弱さを感じさせるようだ。

 監督はヨールン・ドンネル(ヨルン・ドンナーの表記もある)で、イングマール・ベルイマンの『ファニーとアレクサンデル』でプロデューサーを務めたことで知られる。

2016年5月公開予定
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