色々溜まっているが、これを先にあげておこう。
今年のフィルメックスで観客賞を受賞した作品。
(もともとコンペ対象じゃないので、そちらの受賞はない。)
『
最愛の子』
最後で
「うわぁ〜」ってなる映画。
娯楽と社会性と兼ね備えるこうした作品には巡り合えない。
ここに描かれるのは中国政府がみせたくない実態であろう。
2009年に起きた実際の幼児誘拐事件を基に映画化されたという。
そこには中国が抱える農村と都会の格差、貧富の問題、一人っ子政策のゆがみなど様々な問題が内包される。
当初、誘拐事件だけで130分は長いかと思ったが、無駄な要素がないほどに盛り付けられたエピソードの数々にうなる他なかった。
何であれ物事には表裏二つの見方がある。
この場合は被害者の家族と誘拐犯の方だ。
誘拐された息子を取り戻すまでの前半と、誘拐して育てた母親の方を描く後半。
話の本質が見えるのはむしろ後半で、散りばめられた個性的な登場人物の描写も申し分なく、最後までダレルことなく見せるピーター・チャン監督の力量には感服。
似たような問題はしばしば取り上げられる。
『そして父になる』もこの系統といっていいだろうが、<一人っ子政策>がベースにあることでさらに複雑になっている。
本当の親の愛とはどういうことなのか、子供優先か親の気持ちを大事にするのか。
簡単に答えは出せまい。
これ以上は映画を見て欲しいが、問題の闇は相当根深い。
冒頭の膨大な本数の電線が絡み合っているのは、この問題の比ゆなんだろう。
こういっては語弊があるが、一人っ子政策があることで物語を面白くしている。
もはや
ギリシャ悲劇レベルの域といって差し支えあるまい。
さすがにピーター・チャン監督作品だけあり、俳優の質も上級クラスが揃っている。
育ての親を演じた人気女優ヴィッキー・チャオが香港電影金像奨で主演女優賞を受賞も納得の熱演。
とにかく人間ドラマが好きな人は必見!
(もちろん星は5つ!!)
監督のピーター・チャンのQ&Aがあったが、ともかくよくしゃべる人という印象。
簡単な質問一つで10分くらい延々と答えていた。(制限時間が30分)
なので、質問の数はあまりこなせなかったが、質問内容にかかわらず言いたいことをしゃべっていただけかもしれない。(笑)
1月16日よりシネスイッチ銀座で公開
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