ナショナル・シアター・ライブ2015『リア王』
健忘症になる前に備忘録として…。(笑)
シェイクスピア四代悲劇の一つをサム・メンデス(「アメリカン・ビューティー」「007 スカイフォール」「007 スペクター」)が演出を担当したというので興味を持っての鑑賞。
これまで名だたる監督が映画化も手がけている名作中の名作戯曲。
それだけにどこに新鮮味を持たせるか、現代性を感じさせるかが焦点だと思うが、メンデスは時代を現代に置き換えているようだ。
リアは軍国主義と専制政治の君主として描かれている。
ただし、デジタルツールがなく軍服のデザインや小道具の銃器類から推察すると少し昔(植民地が独立していった頃を想定しているのだろうか?)と言ったところか。
ストーリーは誰もが知っていると思うが…。
高齢で王座を退き3人の娘に国土分割をしようとしたリア王。
言葉巧みな上の二人に対し、おべっかを言わずに怒らせた三女が縁を切られる。
しかし、いざと言う時に上の二人に裏切られてしまう…。
正しい諫言をするものとおべっかを使うものの区別がつかず、誤った道を選択するリア。
そんな狂った為政者の元でまともなのは<狂人>か<道化>にしかなれまい。
古風で格調高い言い回しは、オリジナルに準じているように思える。
ナショナル・シアター・ライブ作品の中ではセット替えがふんだんに行われた方ではないか。
シェイクスピアは観察眼に優れていた人物として知られ、おそらくリア王のモデルとなった症状の人物が身近にいたのではないかという話を聞く。
それは現代の医学からみて
<レビー小体型認知症>ではないのかという推測があり、本舞台も認知症としてのアプローチを試みているようだ。
そう考えればおかしな行動にも一定の理解がつく。
(WEB情報によると、レビー小体型認知症は1976年に、日本の小阪憲司らによって発見。アルツハイマー型は女性の発症率が高いのに比べ、レビー小体型は男性の方に多いとある。 )
リア王を演じたサイモン・ラッセル・ビールの迫真の演技がみどころ。
威厳ある生真面目な前半よりもイカレてしまった後半の方がおそらく彼の真骨頂なのではないか。
威圧的にみせるために監督命令でスキンヘッドにしたというのも効果的だったように思う。
この作品の何が良かったかって、TOHOだと3時間25分のマイルが溜まったことだよ。(笑)
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