『
ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』
ガーディアン紙が
「これは犬版『猿の惑星』だ」と評したが、なるほどと膝を打つ。
なぜか雑種犬が差別される法律が制定された都市での話。
両親が離婚していて、母の都合で疎遠だった父親と一時的に暮らさなければならなくなった娘のリリと愛犬ハーゲン。
しかし、“雑種犬”は高額な税金を納めないとならない決まり。
税金を払いたくない父は、犬を高架下へ置き去りにしてしまう。
愛するハーゲンと引き裂かれた少女リリは周囲の都合に振り回されっぱなし。
少女と犬の友情物語に傲慢で身勝手な人間への批判を描くが、
児童向けを思わせる導入から後半は予想だにしなかったスペクタクル映画に大変身する。
リリが周囲の悪ガキどもと交流を持つのも、無理してでも早く自立した“大人”になりたいという心の表れではないだろうか。
少女リリを演じたジョーフィア・プショッタの凛とした佇まいも惹かれるが、
何といっても愛犬ハーゲンの演技だろう。(映画では二匹の兄弟犬が演じたそうだ。)
伊達にパルムドッグ賞を受賞したわけじゃない表現力は見事という他ない。
圧巻は250匹といわれるCGに頼らない本当の野犬たちが街を疾走するシーン。
雑種を排除という偏見との戦いと、信頼感についての物語なんだろう。
思わぬ試練を与えられて野生を目覚めさせられたハーゲンが、リリとの信頼回復なるかは、父と娘との関係にも重なり合う。
我々は思い返さないとならない。
純血種でも雑種でも、親でも子でも、人間でも動物でも相手が誰であれ対等の関係こそが大切なことを。
(いくら映画とはいえ、犬好きには少々心痛むシーンがある…かもね。)
11月21日より公開
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