東京国際映画祭2015
『ぼくの桃色の夢』(コンペティション)
約85%ハオ・ジエ監督の自伝だという改革・開放を経た底辺の庶民から見た中国社会が描かれる。
中学生になったチャオ・シャンシャンは学校一の美人リー・チュンシアに仄かな恋心を抱くが、ライバルの登場で波乱の展開になる。
中学生の頃の男子の妄想が痛いくらいに描かれていて、男なら誰しもが「ある、ある」になるのではないか。
寮生活は不衛生だったり、いじめが横行していたり、どの国でも子供のやることは一緒なんだと思わされる。1990年代の中国の教育環境が見て取れるのも興味深い。
ナプキンの心象表現には大笑い。
チャオ・シャンシャンは決してイケメンタイプじゃなく、例えて言えば、のび太がしずかちゃんにアタックしているような感じだろうか。
序盤はコメディのようだったが、大人になるにつれてシリアス路線に変更。
ガラリとタッチが変わったのは少し驚くが、成長の証か。
個人の成長物語を描きながら、その先に見据えるのは中国の姿に他ならない。
映画との出会いがある以上、当然のごとく映画の引用も多くみられる。
監督世代が青春時代に影響を受けたという香港映画の影響やオマージュもふんだんに取り入れられる。
『マレーナ』の引用が持つ意味も欧米諸国の性に開かれた国で見るのとは違う意味があるという監督の弁は説得力があった。
曲解しているかもしれないが、スケベこそ“自由の証”であるという説には強く共感!(笑)
社会を動かすには様々な手法があろうが、映画という出会いが一人の人間を変えたのは事実。
プラカードにお題目を書き連ねるよりもずっとスマートで効果的な気がするのは私だけだろうか。
今、監督に見えている夢の色は何色なんだろう。
ゲストによるQ&Aにはハオ・ジエ監督と主演の二人(バオ・ベイアルとスン・イー)が登壇。
スン・イーは映画よりも生の方がかわええなぁ…。
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