『
残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』
もう一つ、東京国際映画祭上映作品から公開が決まっているものを。
『リング』をはじめとするJホラーの系譜を引き継ぐかのようなミステリー。
どこまで掘っても掘っても底が見えない負の連鎖は、現代社会を生きる上で切り離せまい。
気の弱い人なら夜中に不審な物音でもしたら不動産屋に駆け込みたくなるか?(笑)
しかし、ここまでくると理屈というよりも屁理屈にも思えてならない。
もっとも私のようなへそ曲がりは「聾唖者だったらどうなのだろうか?」とか「ヘレン・ケラーなら怖がるのだろうか?」とか重箱の隅をほじくり返したくもなるのだが…。(笑)
ゴミ屋敷に一ひねりある解釈をしていたのがユニーク。
原作者・小野不由美の第一希望であったという中村義洋監督の音による演出にこだわりを感じるので、鑑賞するなら音響装置の良い箱がいいだろう。
ただ、これまでの中村映画のミステリーを期待すると肩すかしを食らうかも…。
それくらいホラーというか“ザ・怪談”になっている。
中村組ともいえる竹内結子と中村映画初出演となる橋本愛の初共演も見どころ。
キャストは他にも佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一と人気どころを配役。
ただ、この作品のノミネートには政治的な匂いを感じる。
期間中唯一の日曜日のソワレのいい時間帯に最大スクリーン上映枠を取っていたことや、どう考えてもノミネートレベルには感じない点だ。
(日本作品の受賞は一つもなかった)
あいにく、主演キャストや監督の登壇したその枠では見られなくて、他の時間帯だったが、プロデューサー二人(永田芳弘・池田史嗣)とのQ&Aが行われた。
なんせミステリー系の映画ゆえネタバレになりかねないので詳細は記さないが、映画通の方々の質問は爆笑を呼んでいた。
脱線するが、映画祭中に配布された<例のロゴ入りグッズ>だったり、公式カタログのデザインには佐野研二郎の事務所だったり話題には事欠かない。

2016年1月20日公開
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