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2015年10月23日01:17

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『白い沈黙』

『白い沈黙』

 アトム・エゴヤンに雪景色といえば『スウィート ヒアアフター』が自然と浮かぶ。
子供と自動車という共通項もまた一層期待を掻き立てるが、人間ドラマよりもミステリーに比重が高い。

 ある日、父がほんの少し目を離したすきに自動車後部座席から消え去った愛娘キャス。
自ら出たのか、神隠しか、誘拐か…、何の手掛かりのないまま時が過ぎる…。
だが、8年後、娘の物と思われるアイテムが提示されてゆく。

 複数の事件が時系列を行き来して描かれる。
どこを走っているのか分からずに、全体像が見えるまではヤキモキするが、その見えない前半が面白い。
ピースがハマっていく様はミステリーファンも納得だと思うが、反面、話自体が明らかになり現在進行形になるにつれて平凡なサスペンスになって行った気がする。
平凡と言ってもつまらないわけではないが、『スウィート ヒアアフター』のアトム・エゴヤンならもっと深い物語に出来たはずではないかという期待感とのギャップ。

 題材が題材だけに、陰惨なシーンは見せないよう犯行映像には気を配ったのであろうことは容易に推察がつく。
ただ、そのためにインパクトは弱くなった気がする。

 原題はThe Captive、ずばり捕虜。
もちろん直接捕らわれている人物の事でもあるが、心配のあまり何も手につかず精神が捕虜になっている両親の事でもあろう。
『コレクター』(W・ワイラー)か『プリズナーズ』かといった犯人の胸糞悪くなる言動が見ものだが、空白の8年に整合性が感じにくい。
今どきのミステリーにしては犯人像がやや単純に思える。
推測はつくもののもう少し闇の部分を取り上げた方が面白かった気もする…が、監督の目指す方向ではなかったということだろうか。
インターネットやデジタル機器を活用した演出は今どきの映画らしい。

 キャスティングは良好で、とりわけライアン・レイノルズ(マシュー)、ミレイユ・イーノス(妻ティナ)の迫真の演技は見もの。

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