『
ヒトラー暗殺、13分の誤算』
個人・組織合わせて40回以上暗殺計画を企てられたといわれるヒトラー。
その中でも初期に実行され、とりわけ異彩を放つ事件が本作だという。
しかしサスペンス的なものを期待すると裏切られる。
暗殺に失敗した家具職人ゲオルク・エルザ―の人物像に焦点を当てていくことにあるから。
ヒトラーの履歴にどれくらい知識があるかで理解度は変わるかもしれない。
知っていて当然とばかりにスキップする点が見られるから。
取調官の一人にアルトゥール・ネーベが登場するのだが、彼を知っているかどうかが一つのポイントであろう。
面白いのは「
これほどの綿密に計画された行為は必ずや後ろ盾があるはず」と決めつけるナチス側。
容疑者がいくら正直に白状しても信用としないという人間心理は興味深い。(笑)
素直に受け取れないのは、おそらく自身の中に大きな闇を持っているからに他なるまい。
ただ、手繰り寄せる動機づけにそこそこ納得できるものの、暴力行為が苦手なゲオルクがどうして<暗殺>とまで至ったのかに多少疑問を感じる。
近い将来、大きな問題になるに違いないという程度の推察はつくだろうが、いきなり殺害はハードルが高い気がするのだが…。
あるいは時計職人でもあったゲオルクゆえ、ナチスの“からくり”から未来が見えたのだろうか?
ゲオルク・エルザ―が落とした小さな水滴は大きな波紋となって広がってゆく。
自分一人では変えることができなくとも、間接的なキッカケにはなりうるのだろう。
その意味では普遍性を感じる。
職人ゲオルクを演じたクリスティアン・フリーデルの熱演が光る。
『顔のないヒトラーたち』とこれといい立て続けにヒトラーを冠する映画が公開されているが、原題にヒトラーとはどこにも見当たらない。
配給会社の誤算と人間心理を垣間見る。(笑)
せっかくなので(?)シネマライズにて鑑賞。
これらのサインも消え去るのだろうか…。
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