『
グローリー / 明日への行進』
デヴィッド・オイェロウォ、デヴィッド・オイェロウォ、デヴィッド・オイェロウォ、と三回続けてスラスラ読めたら大したもの。(笑)
偉人をモデルにした映画は山ほどあるが、意外や意外キング牧師を真正面から描いた映画はなかったそうだ。
一つには有名なスピーチが権利問題で使えなかった事もあるようだが、
もしかしたら偉人伝の映画化ですら人種差別は存在するのか。
劇中で再現されるセルマの“
血の日曜日事件”は見るにたえないほど痛ましい。
これだけのことを目の当たりにして変わろうとしない姿にクラクラする。
少し前に起きた<白人警官による黒人射殺事件>の顛末など本当に21世紀なのかと疑いたくなる。
本作が色褪せない現実がここにある。
オバマ大統領自身はここに描かれるセルマの行進を真似てみたそうだが、きっとそういう人気取りにも思えるポーズにうんざりしている声も多いのじゃないだろうか。
監督はエヴァ・デュヴァネイ。初めて目にする監督だが、妻や母親といった女性らしい視点を感じる。
有名なスピーチが使えない対抗手段として、考え抜かれたという<代案>は中々のものではないか。
映画に限らず、
壁にぶち当たったら創意工夫が大切だということだ。
キング牧師の名前ばかりが知れ渡っているが、実際には団体戦だったことなど初めて知ることも多い。
実話物とはいえ、説明の字幕は少々うるさいかな?
しかし、アメリカでの州の権限の強さは驚くばかり。
日本の地方分権なんて比較にならない。
ここまでして手にした投票権だからアメリカは選挙の結果に庶民も一喜一憂するのだろう。
英国人俳優デヴィッド・オイェロウォのキング牧師役へのアプローチの献身ぶりも特筆ものだと思う。
偉人伝映画としてはストレートなつくりで、途中やや平坦にも感じるが、さすがに肝心のスピーチ部分とオスカー受賞したコモン&ジョン・レジェンドによる主題歌は盛り上がる。
ブラッドフォード・ヤングの撮影も見事。
原題のSelmaでは日本人に分かりにくいと思ったのだろうが、逆に邦題はありきたりで印象が薄くなった気がするのは私だけだろうか。
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