『
エレファント・ソング』
実に戯曲原作らしい映画。
飛ぶ鳥を落とす勢いのグザヴィエ・ドランをして「(主人公の)マイケルは僕のための役」と熱望したのはなるほど頷ける。
親の愛を求めても親からの愛に満足に得られなかった青年は、自身と重なり合う部分があるのだろう。
タイトルにもある<象の歌>とはどういう歌か。
日本で有名な童謡とはもちろん違うが(笑)、
<象>が物語を読み解く鍵となっている。
子育ての難しさは実社会でもしばしば心痛むニュースとなって表れる。
子育てに優先順位を持てなかったり、接し方がわからかったりするのかもしれないが、子供にとっては悲劇の始まり…。
特に幼少期にとって世界はまだ小さく親の存在は絶対的。そんな時に自分の居場所が見つからない失望感が人生を狂わせたとしても不思議はない。
14歳からずっと精神病院で過ごしてきた“問題児”マイケル(グザヴィエ・ドラン)の担当医が失踪した手がかりを得るために院長のグリーン(ブルース・グリーンウッド)が事情を聴くことになった。
映画は、この日何が起きたのかという全容を聞き取りをする形式で進行するのだが、
過去に過去を織り交ぜるのは、あまり好ましく思わない。
誰の視点で語っているのか疑問に感じる。
はたして冒頭とラストシーンはつながっているのか?
事件のあった“過去”より“現在”のドラマの弱さが気になるのだ。
母と担当精神科医、それとマイケルとの関係性はそれなりに描けていたとは思うが…。
“狡猾な”マイケルと、“人のいい”院長ではすでに勝負あり。
スリリングな心理劇をやりたいのだろうが、最初からマイケルの手の内でもてあそばれているのが伝わってくる。
そもそもあれほど基本的な患者の情報を事前に医師が知らないのは少し疑問だが、せめて提示された条件で揺さぶりを掛けるくらいのことはして欲しい。
一方、映像の美しさは特筆もので、病棟のブルー基調や想い出の暖色系…と心を表すような色味は良い。
クローズアップも多用しながら光で柔らかく包むような撮影が格調高くさえある。
話はかわって、前回競り負けたLDを今度は落札できたようだ。
やはりタイムリミットが近づくとハラハラして心臓によくない。(笑)
前回の落札金額よりも少し下で相手が降りてくれたので、余った予算で他のLDをゲットしようかな?
まさか2015年になってこれほど(中古とはいえ)LDを買うことになろうとは思いもよらなかった。
(あとは無事に届きますように…。)
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