今年のEUフィルムデーズはパスしようかとも考えたけど、この映画が好評なのが伝わってきたのでリピート上映に足を運んでみた。
今年の外国語映画賞にノミネートされたエストニア=ジョージア合作の映画。
『
タンジェリン』
基本的には4人のアンサンブル劇。
1990年代、紛争中のアブハジアで暮らすエストニア人はたいていが本国に引き上げていた。
しかし、イヴォと友人でミカン畑を持つマルガスだけは収穫まで現地に残ると決めていた。
イヴォは材木加工で、ミカンの箱作りを手伝う。
だが、彼がこの地に残るのは特別のワケがあった。
そんなある日、ふとしたことでチェチェンとジョージアという敵対する負傷者たちを自宅で看病することになる。
まさに“呉越同舟”状態で、一触即発のスリリングな状況が生み出される。
負傷兵二人は共にまともに身動きもできないのに相手を殺してやるという減らず口ばかり…。
『涙するまで、生きる』にも通じるように思うが、敵と言っても実際は相手のことは良く知らない。
知らないからこそ排除したい。
終わることのない戦争は、互いを人間として見なさないゆえに殺し合う。
しかし、災い転じて…ではないが身動き取れない治療期間が互いを知るきっかけになる。
こういう状況でもなければ会話することもなかったのだろう。
戦場を離れれば、互いに一人の人間…。
イヴォが危険な状況下でもアブハジアを離れない理由も極めて人間らしいこと。
戦争の不条理の犠牲になりながらも、昨日までとは違って理解しようという芽生えに希望が感じられる。
さすがにロケは話の実地ではできなかったために、似た景観の場所を探したそう。
タイトルのタンジェリンはミカンのことだが(劇中ではマンダリンと言っている)、ミカンは西洋絵画では“永遠の生のシンボル”だと聞く。
戦火の中でもミカンを必死に守らせる監督の意図が伝わるようだった。
一般上映されることを熱望。
監督とプロデューサーが初来日していて、トークショーを開催。
どちらもスキンヘッドで区別が…(笑)
(ちなみに向かって左が監督、右がプロデューサー)
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