『
セッション』
不思議だ。まるで納得してないのに興奮している自分がいる。
名門音楽大学でジャズを題材にした師弟関係の特訓ものだが、スポ根やホラーという表現が引き合いに出されているのは観れば納得。
前半と後半の二幕モノで、前半の<特訓編>を見た段階ではとてつもない傑作かもしれないと身震いしていた。
だが、後半に入り話を畳みだすと急に人物の底の浅さが気になって仕方ない。
それでも狂気にとりつかれたような師匠と弟子の“殴り合い”は最後まで引きつける。
これとよく似た構成の映画を思い出した。
キューブリックの『フルメタル・ジャケット』だ。
あれも第一幕が<訓練編>で第二幕が<実践編>。
鬼教官のスパルタ教育が酷似しているのだ。
人生には、こういった理不尽とも取れる鬼教官や鬼上司と出会うこともあるだろう。
私自身もフレッチャーほど極端ではないが、似たベクトルを持った人物を体験している。(苦笑)
なので「ああ、このタイプか」と思ったが、これが単なる理不尽で終わるのか、それとも恩師となるのかは、その人柄がわけると思う。
その意味では『フルメタル〜』は納得出来たのだが…。(笑)
ジャズはまるで門外漢で専門用語もプレイそのものの判断も出来ないので、劇中で言うようにテンポの早い遅いは分からない。
もっともこれはジャズを描きたかった映画ではないだろう。
それは原題のWhiplashが示すように<鞭打ち>のようにしごき調教する関係なら何でも成立したのではないか。
何がスゴイってやはり“鬼教師フレッチャー”を演じるJ・K・シモンズ。オスカー受賞には納得のド迫力。
対する生徒アンドリュー・ニーマン役のマイルズ・テラーも渾身の顔芸で負けてない。
演奏シーンのスリリングさも特筆もの。とりわけラスト9分19秒は瞬きも忘れそうなほど。
監督・脚本のデミアン・チャゼルは『グランドピアノ 狙われた黒鍵』の脚本も手がけている。なんでも自身がドラマーを目指していたという体験があるらしい。
進路は変えても<ただでは転ばない>精神は参考にしたい。
しかし、繰り返しになるがストーリーには全く納得していない。
サムズアップしている自分とサムズダウンしてる自分がいる。(笑)
さて、本作はオープンしたてのTOHOシネマズ新宿での鑑賞。
物珍しさからか、ロビーはごった返す。
新宿の三大シネコンにあってはロビーからスクリーンへの移動がスムーズなのは助かる。
入口前にvitの端末があるのもいいが、チケットがスーパーのレシートみたいで安っぽいのは少し残念…。
でも、新宿にIMAXができたのは大きい。
いや、サイズはそこそこらしいが…(笑)
夏の大作とかで試してみようかな?
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