「おお、私の恵比寿よー!(フェリーニの『カサノバ』風に)」
あれから4年(?)、久しぶりに足を踏み入れた恵比寿。
(偶然居合わせたよそ様のワンコ)
本当に映画でも見ないと来る用件がなかったんだなぁ…。
そう、恵比寿ガーデン・プレイスに名前をYEBISU GARDEN CINEMAとアルファベットに変えて映画館が戻ってきた。
親会社が変わったけど、アート系路線は受け継いでいるみたいだ。


基本的な内部構造は変わっていない(スクリーン2つ)が、内装はかなりシックで大人っぽい。
それに前はシアター内の飲食は厳禁だったが、今度は売店のモノなら持ち込みOK。
その売店のモノもロブションと提携しているらしく実にオッシャレ〜。
お値段は少々お高いが、質もそれなりに高そうな感じ。
せっかく来たので、映画を1本見ることに。(笑)
スクリーン1のシートは黒くてゆったりしている。
(スクリーン2のシートは赤らしい。)
前列と半分ずれているので、頭がかかりにくいのも良い。
サイドのカップホルダーが幅広いのもゴージャス感を醸し出している。
『
カフェ・ド・フロール』
『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレ監督による少し風変わりなラブストーリー。
2011年のモントリオールと1969年のパリを舞台に壊れた二組の家庭の話が時系列を組み替えながら語られる。スピリチュアルな展開が驚きを与える。
ただでさえややこしいのに、二つの家庭劇を盛り込み、時間軸もバラバラにして、オマケに心象表現や比喩が多いのだから一発で理解しろと言うほうがムリかもしれない。
一見、無関係と思える二組に共通するのは<愛情>。
時間も空間も立場も何もかも違っていてもつながり合うのは変わらない愛ということなんだろうか。
終盤になって、結びつきの謎は明かされるが、それでもボンヤリとしか理解できていないかも…。
ジャクリーヌを演じたヴァネッサ・パラディは着々と女優としてのキャリアを築いていっている印象を受ける。
ダウン症の息子ローラン役のマラン・ゲリエに合わせたお芝居だったようだが、それだけに自然で見ごたえある。
バックに使われている音楽が重要で、
ピンク・フロイド、ザ・キュアーなど有名なロックナンバーが効果を上げている。熟考されていて、ただバックで流れているだけというありがちな使用法でなかったのは高く評価したい。
(余談だが、かつてピンク・フロイドの“Time”を劇中のような使い方をしていた知人がいた。)
ただ、タイトルにもなっていてキーとなる曲“カフェ・ド・フロール”のアーティスト<マシュー・ハーバート>は、劇中で使用される’69年にはまだ生まれてもいないのだが、その辺はどういう意図だったのか?
そこも時空を超えた来たということなのか?
音楽の加工や手の込んだ編集など実に“インテリっぽい”作品という印象。
このオープニング作品を再出発の指針に選んだのだとしたらかなり挑戦的。
上映後、灯りがついて客席がザワついていたのは言うまでもない。
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