『
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
実験的、野心的な作品。
ほぼワンカットに見えるようなシームレス編集が取り上げられているが、確かに見ていて疲れるくらいの集中力を要求される。
未だに頭の中がグルングルンしている。ただし、心地よい疲労感だが…。
マイケル・キートンありきの映画。
『バードマン』というスーパーヒーローもので世界的人気俳優となったリーガン(マイケル・キートン)が、その後シリーズ4作目を断ってから落ち目となっているという設定は、かつて『バットマン』を演じて人気を博した彼への“ため書き”だろう。(マイケルが断ったのは3作目だが…。)
自虐的とも取れそうな役柄だが、当人の気持ちはともあれ少なくとも観客の心にはすんなりと溶け込む効果がある。
共演者のエドワート・ノートンやエマ・ストーンもアメコミ映画に出演しているのも面白い共通項。
家族も俳優稼業もダメダメな男が一発逆転をかける話だが、常に付きまとう超自我の存在(バードマン)がユニーク。
マンガなどでもよく使われる表現だし、バードマンの発言がリーガンの“どの人格”を指すのかは分かるだろう。
舞台以外はクズだが、演技の天才マイクを演じるエドワード・ノートンやバードマンの“助言”に対峙・感化されて変化するリーガンの姿が見どころ。
終盤で<バードマン>に見立てた姿はアイディア賞ものだと思う。
オモシロ動画の再生数で評価されたり、FBのイイネなどで人気を取ることなどの現在の軽薄短小な社会への批判も織り込まれる。
また、辛口評論家の存在はアメリカのショービズ界へのイニャリトゥ監督の代弁者とも取れる。
やはり特筆すべきは
圧倒的な撮影を見せつけるエマニュエル・ルベツキ。オスカー受賞は異論のないところ。
長めのカットを巧妙につなぎ合わせただろうことは推測がつくものの、計算して撮影していくのは至難の業だったのではないか。(『ゼロ・グラビティ』といい、今もっとも脂がのっている撮影監督の一人。)
しかし、ユニークなのは撮影や編集だけじゃなく音楽もまた実験的ではないか。
鼓動とシンクロするようなドラム演奏は、ほぼインプロヴィゼーションかと思った。
この世に同じ瞬間など一度たりともなく、全てが気の抜けない本番だと言いたげだ。
これこそ演技論とシンクロする大切な手法を示唆しているのではないか。
思いのほか実験色が強くて取っつきにくい面はあるかと思うが、必見の1本であることに違いはない。
実名でバンバン俳優名が登場する楽屋落ち的ネタに思わず笑みを浮かべる。
いつもなら「余計な副題つけやがって」とくさすところだが、これは原題のまま。
そしてこれが端的に表しているのだから必然だろう。(でも覚えられない)w
試写会@20世紀FOX映画試写室(ここ初めて!)
パンフももらえちゃいました。試写会では珍しい!
至れり尽くせりでホクホク。(笑)
4月10日より公開。
ところでWOWOWで寺島さんがネタバレトークした内容って何だったのかな?
“あのこと”だったらさほどでもない気がするが…?さて。
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