ナショナル・シアター・ライヴ『欲望という名の電車』
映画化もされ、もはや古典ともいえるテネシー・ウィリアムズの戯曲を英国ロイヤル・ナショナル・シアターで上演。演出家はベネディクト・アンドリュース。
2015年公開予定のNTLラインナップでも評判が高いみたいだ。
人が生きるのには<欲望>は不可欠。野望と言ってもいいし、希望と言い換えても構わない。
動機になる心の熱が必要だ。それゆえ人は苦しくとも頑張れるし、歩いてゆける。
しかし、強すぎる欲望はどこまでも足りることを知らず、心の均衡を崩すことになる。
お恥ずかしながら(内外含め)他の『欲望という名の電車』の舞台も知らないし、別のNTLの演目も見てないので何とも言えないが、ユニークな舞台設定に思える。
円形でしかも手が届きそうな空間に柱組だけの家がワンセット、ユックリとまわる中での芝居は観客も緊張感を強いられる気がする。
観客が見つめる家の向こうにもこちらを覗く観客がいるのだ。
ニーチェではないが、覗くものもまた覗かれるということか。
これだけ舞台が近いと一体感は増す。
観客自身もセットの一部であり、出演者の一人なのかもしれない。
実際に着座していてもセットが回ってくれるので全体像を見ることが可能だし、絶えずアングルが変わるので新鮮さもあるだろう。
やはりというか、見るべきは
ジリアン・アンダーソンか。彼女は
『Xファイル』のダナ・スカリーのイメージが強かったが、ここまでブランチ役を追い込んでいたのは新鮮に感じた。
キャリア最高の出来栄えという評判も頷ける。
スタンリー役、ベン・フォスターのワイルドさも印象を残す。
カメラアングルも良く考えられていて、特に主要キャラがセットから客席との間に出た時のローアングルは息をのむ。
3時間22分の長丁場を飽きさせずに持たせるのは大したもの。物理的には長いけど…。(苦笑)
字幕は向こうで製作されたようで、ピンと来ない場面も…。
(ポーランド人とアイルランド人、ポーリッシュとアイリッシュの語呂合わせ?街の女って『立ちんぼ』ってことか?)
野口三人は少し高いと思ったが、マイルがついたのでOKでーす。(笑)
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