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2015年03月11日01:47

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『妻への家路』

『妻への家路』

 文化大革命がもたらした悲劇ともいえるだろうが、統制社会の恐ろしさという点ではどこでも通じる普遍的なことなのかもしれない。

 自身も強制労働についた経験があるチャン・イーモウがゲリン・ヤンの原作を基に引き裂かれた家族の哀しみと慈しみを謳いあげる。
夫、妻、娘からなる3人家族はそれぞれ本来の自分を失っている。
夫の帰りをひたすら待ち続ける妻、記憶喪失の妻に自分を思い出してもらうのを待つ夫、過去の過ちの許しを待つ娘。
解決にはひたすら待つしかないというのがやるせない。

 少しづつ歩み寄り家族のきずなを手繰り寄せようとする姿は涙なくして見られない。
夫“陸焉識(ルー・イエンシー)”が長き不在の末に妻“馮婉玉(フォン・ワンイー)”の元に帰る道よりも、自分を失った 馮婉玉が“妻”にたどり着く道の方がはるかに困難を極める。
映画は原作よりも幾分救いのある結末になっているというが、そう聞くと愕然とする。
ゲリン・ヤンはどこまで絶望していたのだろうか…と。

 中国で大ヒットしたと聞くが、中国政府への批判が込められているためオブラートに包まないと中国では公開できなかった。家族の愛情物語にスポットを当てているのは苦肉の策なんだろう。
ただ、直接的な表現ができないことで、文学的な面白味が出たというのは皮肉な効用か。

 イーモウ組ともいえるチャオ・シャオティンのカメラワークがとても良い。
妻“馮婉玉”役のコン・リーはさすがのうまさ。
本作がデビューという娘“丹丹”役のチャン・ホエウェンも好印象を残す。

 あとで「なかったことにしてください」と言われても、一度失ったものを取り戻すことの困難さが重くのしかかる。家族が支払った代償の大きさはいかばかりか…。
いつの日か中国にも自由な発言ができる日が訪れるのか…、それも「ひたすら待つしかない」のだろうか。

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 本筋とは無関係だが、字幕の制限上で名前が漢字表記されている。
読みなれないためか、ちょっと引っかかってしまった。(汗)あせあせ(飛び散る汗)
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