『
さよなら歌舞伎町』
人は嘘をつく。
時に身を守り、相手を守るため。しかし、誰かを傷つける。
「完全な人間などいない」と誰かがいった。
皆、人生に希望を抱いて生きている。
しかし、全員が希望通りの人生なんて歩めるはずもない。
そんなドロップアウトした人たちに手を差し伸べるような温もりを感じる映画。
数多ある歌舞伎町のラブホ街。
その一つを舞台に繰り広げられるグランド・ホテル形式の映画。
(グランド・ラブホテル形式と呼んだ人がいたな。座布団一枚…あ、お布団一枚か…笑)
登場人物たちは全員夢を持ちながらもワケアリ人生を歩んでいる。
夢と現実のギャップは、現在の社会問題を端的に指し示す。
東京で暮らしたことがある人なら、舞台となっているロケ地は見おぼえある風景じゃないだろうか。
もしかして、どこかのカットに自分が映り込んでいやしないかと、どことなく奇妙な感覚に襲われる。(笑)
いかにも歌舞伎町界隈で居そうな登場人物たちが予想のつきそうな展開を見せるが、
イ・ウンウの登場で映画が別次元に引き上げられている気がした。
リスクあっても『メビウス』を演じたいがために、当時の所属事務所を辞めてまで挑んだという気骨ある彼女だけに、全身から放たれる迫力に目が釘づけになる。
(逆に、別次元に引き下げている誰かがいる…なんて意地の悪いことは言わないよ。)
長回しとロングショットが多いのが特徴か?
店長というには若いけど、染谷将太はハマリ役に思えた。
ミュージシャン志望の前田敦子には何とも皮肉な役回り。
自分の居場所を必死に探しても自分の現在地をわかってないとどこにも行けない。
ちゃんと明日が感じられるユーモラスな青春ドラマ。
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