『
0.5ミリ』
去年見落とした中で見たかった1本。
決してキネ旬で2位だったからではない。(笑)
これぞ真の
ファミリー映画。
いやジャンルや題材が…ではなく、制作陣がだ。
主演の
安藤サクラに姉・
桃子が監督&脚本、父・
奥田瑛二がエグゼクティヴ・プロデューサー、母・
安藤和津がフードスタイリスト、義父・
柄本明が共演者とまさにファミリー映画なのだ。
実は映画自体もファミリーを扱う。
“おしかけヘルパー”の山岸サワ(安藤サクラ)は谷崎潤一郎の小説をコミカルにしたようなタッチで家庭が壊れて満たされないジイさんたちをころがす。
このユーモラスさは独特の浮遊感ある安藤サクラなくして作れなかったのじゃないかな?
それぞれ孤独なジイさんたちは、最初こそ“おしかけヘルパー”に反発するものの、次第に彼女を受け入れる。それもそのはずで、サワは時に口うるさいが封建的男性が追い求める女性像そのものだから。
それでも自身が女性であることを否定するサワの秘密や最初の家庭の無口な息子が作品の方向性を決める。
コミカルさにすっかり騙されたけど、底には考えさせられるテーマが隠されている。
登場するジイ様方が皆素晴らしく、特に
津川雅彦や坂田師匠の名演技に頬が緩む。
今では化石の様な…、しかし価値ある過去の名車の存在も的確な暗喩。
いつまで“現役”なのかなんて誰にもわからない。
196分も必要かと言われたら、なくてもいいのだろうが、特に飽きることもなく見続けられたのは手腕だろうか。
これだけ時間もかけてよくしゃべりながらもヒロインの背景はほとんどわからないというのも特色。
そしてそれが瑕になってないのも見事。
姉・桃子の書いた原作は、何でも自身の介護体験から来ているという。
高知を舞台にしているものの方言らしさは感じられない。
ご当地映画にしないように意図的に外したのだろうが、それで良かったと思う。
映画に描かれるヘルパーこそ、今の病んだ日本を救うヘルパーなのかもしれない。
キネ旬には悪いけど『そこのみにて光輝く』よりもこっちを取る。
そこは0.5ミリも譲れない。
余談ついでに映画芸術の2014年ベスト2位にも食い込んだ。
http://eigageijutsu.com/article/412603948.html
ワーストの1位はキネ旬の1位じゃないか。ww
(なんとワーストは8つも見ているぞ!…逆じゃないのかという不安も…。)
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