mixiユーザー(id:11939455)

2015年01月06日01:50

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『百円の恋』

 今年の初劇場鑑賞作品はこれ!

『百円の恋』

 「(個人的にいま、)日本映画の女優でNo.1だと思っている」と共演者の新井浩文をして言わしめる女優安藤サクラ。
まさに彼女なくして成立しないほどの輝きを放つ快作。

 三十路を迎えてもまともに職にも就かず極つぶし。
昼夜なく自堕落な生活を送る(男も仕事も)ないないづくし女が一念発起。
女性版『ロッキー』とか『レイジング・ブル』と言ったらいいのか、ふと巡り合ったボクシングに目覚めてゆく。
冒頭のプヨプヨした体が鍛錬によって研ぎ澄まされてゆくのは、わかっていても簡単に真似できることではない。

 百円均一のコンビニでバイトするのも、“安くて凡百”という意味合いもあるのだろう。横並びの目立たない存在から突き抜けようともがく姿に応援したくなる。
それこそ凡百の我ら代表でもあるのだから…。

 安藤サクラ演じる<一子>もダメだが、惚れた男も相当ダメ人間。(笑)
綺麗で完全な存在がないのもグッと引き寄せる。
取り巻く連中もそれぞれ人生経験を感じさせる味がある。

 安藤は実際に中学生時代にボクシングの経験があるそうだ。
経験が生きた形になったが、クライマックスのファイトシーンは経験値だけでは片付けられない迫力がある。細かいカット割りやアングルの工夫もあり手に汗握る名シーンになっているのではないか。

 たるんだシーンからの撮影らしいので、基本的には順撮りに近いのだろうが、ハリウッド(メジャー)映画のように潤沢な予算があるわけじゃない。
『レイジング・ブル』がどれくらいの期間で増減をしたのか知らないが(おそらく数か月間か)、本作ではわずか2週間の撮影期間だったという。
膨張時からシャープな体型にするのに…だ、恐れ入る。
無論、やせた太ったで安藤の芝居を語るのは野暮である。
内臓までさらけ出すような献身ぶりに頭を殴られる思いがした。

 予算の都合か、画面が多少暗かったりセリフが聞き取りづらかったりもするが、それもリアルさに繋がっている気がする。(出来のいい作品はマイナスもプラスに変えてゆくチカラがある。)

フォト


 脚本は4年前に書かれたらしいが、mixiネタの扱いは初稿のままなんだろうか。
いい塩梅に年月が経って効果的に感じられた。(笑)

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