年内最後のフリーパス3本。(日にちはまたいだけど、第7〜9弾)
これで今年の劇場鑑賞は見納め。
『
王の涙 イ・サンの決断』
安定の韓国歴史ドラマ。
韓国の歴史に詳しくない者でも安心して楽しめるようにという配慮からか、冒頭に人物関係を図解しているのは助かる。
後に正祖(チョンジョ)と呼ばれることになる実在の名君を基にしたドラマ。
政治的な内容の面白さより、アクションたっぷりの娯楽映画に仕立て上げる手腕は実に手堅さを感じる。
イ・サンは常に敵対勢力から命を狙われながらも自身の信念を貫いた人物。
日本の大奥ものにも共通する権力争いの人間模様が見て取れる。
狭い人間関係からなるドラマを作らせたら韓国映画はかなりのモノではないか。
予想以上とはいかないまでも十分期待には応えてくれた。
イ・サンが絶対的な信頼を置く宦官に見せる微妙な感情にグッと心つかまれる。
厚い男の友情物語の味付けが別の意味の“萌え”を感じさせたりもするが、雨の演出が効果的であった。
見ごたえある衣装や美術セットも見事。
『
真夜中の五分前』
『世界の中心で、愛をさけぶ』などの行定勲監督が、本多孝好のベストセラー小説『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow side-A /side-B 』を基に、舞台を上海に置き換えたという話。
前半はラブロマンスで後半はミステリー…一粒で二度おいしい作り。
とても雰囲気のある幻想的な仕上がりなのだが、良く言えば抒情的な演出は悪く言えば自己陶酔型に感じる。このゆったりしたペースが生理的に合わなかったかも…。
ほとんどの
全編中国語の三浦春馬は奮闘しているし、双子(二役)のリウ・シーシーの繊細な演じ分けも適切だったと思う。
小道具としての時計(時間)が生かされた脚本はいかにも原作の持つ魅力なんだろう。
舞台の上海は異国情緒としてのミステリアスさに相乗効果を狙ったものか。
意思疎通のしがたい異国人と、誰よりも意思疎通が簡単であるにもかかわらず通じない双子の皮肉を対比して見せたかったのか…。
双子の持つミステリアスな部分と、「姉か妹か?」という劇作上のミステリーとを絡ませるのは常套手段ではあるが、ことさら人物当てにこだわるものではないと思う。
むしろ、たとえ双子のどちらであっても<いかに生きるべきか>という命題がメインになっているのではないだろうか。
姉か妹かあえて不明瞭なつくりにしてはいるものの、娯楽映画であるなら(演出を考えたら)残った方がどちらかなのかは明白な気がする。
決意と小道具がシンクロするラストは技量を見せられた思いがする。
『
あと1センチの恋』
よくできたロマコメ。
幼なじみのすれ違いドラマは珍しく思わないし目新しくも思わないが、編集の巧みさやBGMの選曲もあり飽きることなくこの“
幼なじみ”を楽しんだ。
原作は処女作『P.S.アイラヴユー』に続いて映画化となったセシリア・アハーンの『愛と虹の向こうに』。
原作は未読だが、クリスティアン・ディッター監督の手腕による部分が大きいのでは?
「人生はいつもタイミングが悪いロージー」を実にタイミングよく編集している。
運命のいたずらをいたずらっぽく演出しているのも笑える。
海外の劇映画ではあまり見かけないくらいに分かり安い見せ方。
最初のお客が<あの人>ってところで爆笑!
原作者は女性だけど、下ネタは男目線じゃないかと思える。(笑)
いかに苦境に立っても(まあ自業自得なんだが)受け止めようとする点は共感が持てる。
ちょっとご都合主義と思える点もなくはないが、
何より本作の魅力はロージーを演じたリリー・コリンズだろう。
コスチュームプレイよりも、等身大の現代人の方が似合っているかもしれない。
景色が一人の主役くらいに魅力的で、光の捉え方も盛り上げ方も手慣れている安心感を感じる。
「人生、あきらめるな」という軽々しい言い方ではまとめられないくらいに波乱に満ちた人生。
何であれ、自身の人生から逃げてはならないのだ。(ちょっと希望をもらえた!)
(これも隠れた下ネタなのか?)
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