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2014年12月27日00:28

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『毛皮のヴィーナス』

『毛皮のヴィーナス』

 「マゾヒズム」の語源になったというザッヘル=マゾッホの自伝的小説『毛皮を着たヴィーナス』に基づく戯曲の映画化。
ロマン・ポランスキー監督が贈るワンシチュエーション・ドラマ。
巧みな会話劇と、キャスト二人による演技合戦は息もつかせない。

 原作が原作だけにSMの要素が肝になる。
劇作家の方が役者に対して主導的な態度をとるが、これもそういうステレオタイプの関係から始まる。
違うのは、戯曲自体がどうやら作家トマ・ノヴァチェクのM本質を体現しているらしいということで、次第に境界線が曖昧になってゆくこと。
舞台の役柄と本心とが入りまじって主従関係がゴッチャになる展開は面白い。
戯曲に登場するヒロインと同じ名前の女優ワンダの慧眼の鋭さは<ただ者ではない>。(笑)

 戯曲ものということで『おとなのけんか』の系譜であることは疑いなかろう。
しいて言えば、あれほど芸達者なキャストではなく、(脚本の要因もあるのか)次第に振幅が乏しくなってゆくことか。
それでもマチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエの二人には存分に楽しませてもらった。
とりわけセニエは怪演といっていいほど魅惑的。

 セニエがポランスキー監督の伴侶であることからも、マチュー扮する演出家はイヤでも監督自身と重なって見えてしまい、二人の私生活が垣間見えるかのようなドキドキ感も味わえた。(笑)
また照明の演出の大切さに改めて気づかされた作品でもある。

フォト


 気になる「ワンダの正体」とは?…というミステリーもあるが、それは薄々勘づくであろう。
さて、“オーディションされている”のは誰なのか。(笑)
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