子供の頃のこと。近所の寺院や神社が春と秋に必ず祭礼を行いました。そうすると近くのお寺さん、松立寺というのですが、ここに近所の子供たちが集められて注連縄(しめなわ)作りを手伝わされました。手伝わされたと言っても本当はお駄賃としてお菓子をたくさんもらえるので喜んで行っていたのです。
半紙を切って作られた注連縄飾りを作って細い荒縄に挟みいれていきます。何百メートル分も作ると子供たちと大人も数人混ざって近所の家々に飾り付けて行きました。大勢の子供たちがわいわいがやがやと大騒ぎしつつ祭りの準備のように飾り付けていく風景が私の心の中に色鮮やかに残っています。
本当に緩やかな結界を町々に作っていく、その担い手となる子供たち。春と秋の古き金沢の町の行事の風景でした。きっと神仏はこういう情景の中で遊ばれておられたのだろうなぁと思います。
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