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2014年08月19日23:23

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板谷波山ー光を包む美しきやきもの(泉屋博古館分館)

8月17日鑑賞。この建物は六本木一丁目駅からすぐ近くて嬉しい。
いつ訪れても落ち着いてみることが出来る。
http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/

板谷波山(いたや・はざん)(1872-1963)は、日本近代陶芸の巨匠。
アール・ヌーヴォー様式を取り入れ、東洋の古典意匠と融合させて、
光を包みこむような美しいやきもの「葆光彩磁」を創造したひと。
今年は没後50年にあたり、出光美術館でも作品展を堪能した。

植物のデザインの見事さ、独自性、そして得も言われぬ色合い。
本当にヴェールを透かして見るようなうつくしく淡い色彩なのだ。
だからこそ、画像やポスターなどで見ると、
あまりにも上品すぎて、その良さが伝わりにくいような気がする。
目の当たりにすれば、ため息をついて感嘆するしかない。
何度も何度も視線でうつわを撫でてしまう。

今回は出光美術館で見た覚えのある作品も多かったが、
修行期から完成期まで、系統だって充実していた。
東京美術学校の卒業制作という、ほぼ等身大の木彫りの「元禄美人」や、
「海水着少女像」の柔らかな表情など、新鮮に観た。

小さなものでは「彩磁玉葱型花瓶」の
タマネギの色味のグラデーションが愛らしくて好き。
そして今回初見の大作「彩磁蕗葉文大花瓶」には圧倒された!
高さ77.5cmもあるという巨大な花瓶に、すくすくと重なり合う蕗の葉は白。
青緑がかった背景の地色もなんとも日本的で良い。
お互いが引き立て合って美しく、幻想的だ。
ちょっとJMギャラリーの植物あかりの薄のライトを思い出した。

金魚文の花瓶も青の地色に赤い金魚のひれの対比が面白い。
前ひれも尾ひれも長く垂れて、なんだかタコの足みたいでユーモラス。
室生犀星の「蜜のあはれ」を連想した。
こういうふうに次々あれこれ連想させられる作品展は楽しい。

八つ手も手あぶりだの花瓶だの、多用されているデザイン。
ウイリアム・モリスだって、あざみやざくろなどお気に入りの植物は多用している。
植物のかたちは興味が尽きない。
また、天目茶碗も本当に素朴な星座のようで素敵だった。
特に白天目茶碗が好み。

波山の生涯は11年前「HAZAN」と題して映画化されている。
主演されたのは榎木孝明さん。
榎木さんは「アダン 」で 田中一村も演じていらっしゃるし、
さすがご自身水彩画を描かれるだけに、芸術家の役に縁が深いなあ。
機会があれば観てみたい。
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