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2014年08月10日23:34

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描かれたチャイナドレス (ブリジストン美術館)

5月25日の「日曜美術館・アートシーン」で紹介された時、
会場に飾られた実際のチャイナドレスがとても艶やかで魅了され、
このドレスだけでも観たいなあと心動かされたもののなかなか時間が作れず、
会期終了間際の7月19日にようやく見ることが出来た。
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/2014/187/
*ドレス写真はEテレ画面より

お目当ての6着のチャイナドレスは本当に素敵だった(謝黎コレクション)。
向かって一番右手の清朝時代の伝統的旗袍(チーパオ)は、
満州族の身分の高い女性が着用したものだそうだが、
黒地に手の込んだ刺繍がたいへん優美で見惚れた。
その隣のカラフルな袖の長い礼服もやはり清朝時代のもので目を奪われる。
左手の二着は、もう少し新しい時代でモダンなワンピースふう。
それも素敵だったけれど、やはり古いもののほうが手が込んでいて惹かれる。
ドレスの周りをぐるぐるとめぐって堪能した。

絵のほうでは、久米民十郎の「支那の踊り」に度肝を抜かれた。
なんだこれは!空間がねじれたような異様な吸引力。
まったく未知の画家だったので、あとで調べてみたら、
関東大震災によって30歳の若さで亡くなった画家だとか。
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/blog/2014/02/20140206_000612.php
http://www1.seaple.icc.ne.jp/nogami/art4.htm
学習院に学んだ後、ロンドンのセント・ジョンズ・ウッド美術学校に留学し、
その後アメリカやパリにも渡り、エズラ・パウンドやヘミングウェイなどと交流。
亡くなったのは3度目の渡欧をするために横浜に滞在していた時だという。

この「支那の踊り」は亡くなる3年前に東京の帝国ホテルで開催された個展で発表され、
その後長く行方不明になっていたが、6年ほど前に永青文庫の倉庫で発見されて、
翌年の春季展示「近代絵画、セザンヌから梅原・安井まで」で展示されたそうだ。
http://www.eiseibunko.com/end_exhibition/2009.html
知らなかったなあ。ともあれすごい絵だと思う。
この画家の夭折が惜しまれる。ほかの作品も機会があれば見てみたい。

また、ちらしの顔ともなっている藤島武二『女の横顔』のモデルが、
竹下夢二の恋人として名高い「お葉」さんだというのも初めて知った。
夢二美術館でお葉さんの写真もたくさん見たことがあるけれど、
やはり魅力ある美しモデルさんだったんだなあ。
本当に綺麗に整った横顔だった。
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