『
ぼくを探しに』
脱法…いや危険ドラッグや違法薬物の害が絶えない。
ダメと言われても昔からイタチごっこでなくなりはしない。
もちろんドラッグを使用することには反対だが、ドラッグなくして<魅力的な音楽が創造出来ない>ということもあるとかないとか…(笑)
ともかくことの是非はさておいて、この世からぶっ飛ぶ効用としての“
魔法のクスリ”がここにも描かれる。
主人公ポールは幼いときのトラウマで口を閉ざしてしまったピアニスト。
原因は何やら両親と関係ありそう。
…ということで、同じアパルトマンに住む怪しげな<家庭菜園>を持つマダム・プルーストが怪しげなハーブティーとお菓子で催眠療法(?)を施す。
タイムトリップならぬドリームトリップしながら失われた過去を探る。
監督はこれまで『ベルヴィル・ランデブー』『イリュージョニスト』とアニメーション作品で知られるシルヴァン・ショメ。
初の実写長編映画だが、そのノスタルジックでポップかつオシャレアート的センスは健在。
箱庭感覚やポップセンスが人によっては『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンに近い印象を持つかもしれない。
邦題にあるように文字通り<自分探しの旅>だが、自分の生い立ちやトラウマについての考察を観客と一緒に体験する。
無口で独白もない主人公ゆえ、追体験し一緒に内面を探ってゆく。
むしろ、個人的には彼の水先案内人である怪しいマダム・プルーストの方に興味がわいた。
カリカチュアされた登場人物たちの中で、唯一といっていい重力を伴ったキャラクターに思える。
彼女の抱えている秘密と公園の樹木との意外なつながりには心を動かされる。
違法で危険な“ヤク”はアウトだが、こちらは合法ドラッグ。
効き目に差はあっても安心してひと時のトリップを楽しめよう。
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