『
ミケランジェロ・プロジェクト』
製作・脚本・監督・出演ジョージ・クルーニー。他にもマット・デイモン、ビル・マーレイ、ジョン・グッドマン、ジャン・デュジャルダンやケイト・ブランシェットなどの豪華キャスティングだが、この規模では珍しく公開が中止になった。
元々春ごろ公開予定が伸びて秋になっていたらしいのだが、さすがに中止のお知らせには驚く。
巷の噂では「宣伝に2億かかった」とか、「イオンシネマが上映するかも」とも聞くが、とりあえずは前売り券は払い戻し(だそうです)。
ただ、英国盤BDに日本語収録なので、すでに見ることは可能。
吹き替えタレントに工藤静香を使っていることからも宣伝舞台挨拶込だと思うのだけど…。
(ジョージ・クルーニー役の吹き替えもイマイチ合ってないかと思ったけど、
工藤静香のケイト・ブランシェットには腰が抜けそうでした…。)
ナチスが占領地から美術品を没収していったことは知られた話。
そういう美術品の多くは(持ち主が見つかれば)のちに返還されたが、影になって働いたチームがある。
それが本作の「モニュメンツ・メン」。
ちなみに原題はこのチーム名だが、邦題は<奪還すべき美術品名>に変更。
没収されたのはミケランジェロの作品だけじゃないけど、名前の大きさですね。(笑)
第二次世界大戦の末期、ヨーロッパ戦線では旗色が悪くなってナチスは撤退を余儀なくされるのだが、持ち去った美術品の行方が分からない。
特に
ヘントの祭壇画と邦題にもなっているイタリア国外では唯一といわれる
ミケランジェロが手掛けた聖母子像が…。
このモニュメンツ・メンは実話が基なのだが、最前線では兵士としてあまり役に立たない者もいて、さながら寄せ集めのはみ出し部隊。
その意味では<自分の居場所探し物語>ともいえる。
ミステリー仕立てながら個性的な面々の活躍と非戦闘行為の兵士という一風変わった戦争映画である。
タイトルデザインや音楽が昔の戦争映画風なのも遊び心を感じる。
人命と美術品と天秤にかけるのはナンセンスかもしれないが、苦しい時だからこそ文化・芸術品を大事にしようというのは映画人の発想としては自然なこと。
それらが人生を豊かにすることは、映画を好んで見ている人には説明不要だろう。
米軍が美術品や文化財を守ろうとした話は「京都に爆弾を落とさないように」という秘話も思い出される。米国の良い側面が語られる。
ナチスが奪った相手はユダヤ人の所有物が多かったことからも映画化に際しハリウッドでの資金集めは容易だったのかなと推測するけど…どうかな?
加えてジョージ・クルーニーの人望でこれだけのキャストが集められたのだろう。
ただ、映画としてはスリリングさや派手なドンパチが控えめで(一番派手かと思うシーンは削除されたシーンとして収録!)、戦争モノにその手を期待する向きには幾分肩すかし…かもしれない。
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