『
収容病棟』
「こんなところに入れられたら精神病になる」
ある入院患者のセリフだが、まさに同意。
何の変哲もないコンクリートの建物で、階ごとの出入りだけは管理されているが、基本的にフロア単位でフリーに収容されている患者たち。
食事、投薬の時間以外は部屋の出はいりも自由に見える。
そればかりか収容されている患者もタイプごとに分けられていないようなのだ。
もちろん、本当の意味での自由ではない。
どちらかといえば社会から隠され隔離されているのだ。
まるで社会に存在しないとでもいいたいような…。
日常生活中心とはいえ、投薬以外の治療がどこまで施されているのかも疑問で、病院とは思えない
衛生面の酷さに目をそむけたくなる。
中国旅行をした人に話を聞くとこの映画の状況は特殊でもなさそうなのだが、
所構わず痰を吐き排尿する。(ボカシなし!!)
真面目な話、映画から匂いがしなくて本当に良かったと思う。
中国政府にとって都合の悪い現実をワン・ビン監督(『三姉妹〜雲南の子』)は切り取る。
ワン・ビンがカメラマンとして患者や家族から受け入れられるにはどれほど時間がかかったのか。
病院が患者をどこまで管理をすればいいのかという問題は難しい。
一から十までがんじがらめでも社会復帰が難しそうだし、だからと言ってこの映画の現状では<ましな人>でも悪化するのではないか。
受け入れるべき家族のケアの問題も小さくはないはず。
特に映画で描かれていた地域は極貧地区らしく、生活するだけでも大変らしい。
庶民生活をなおざりにして進む周囲の開発。その風景が空虚に感じる。
そんな中で女性患者とに間に生まれたロマンスに少しだけ心温まる。
あえて他国に見せたくない現実を見せたり、苦言を呈するのは根底に祖国愛があるからに違い。
とはいえ、前後編合計で約4時間は長いと言わざるを得ない。
鑑賞当日は上映後に臨床心理士の信田さよ子のトークがあった。
(詳細は公式facebookで→
https://ja-jp.facebook.com/shuuyou)
精神病院でカウンセリングの仕事の経験があるというが、日本の管理、管理、管理と比べてなんて自由なんでしょうと…。
日本よりは20年以上遅れているのではないかという説明で、かつては日本でもこういう状況は見られたそうだ。
今後に注目したい。
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