『
私の男』
桜庭一樹の直木賞受賞同名作品の映画化。
北海道オホーツク海の流氷が得も言われぬ美しさと怖さを見せる。
禁断の愛や殺人という血なまぐささと純粋さが織りなす世界に指の間から覗くような興味を抱く。
腐野淳悟(浅野忠信)と花(二階堂ふみ)、共に家族を失った者同士、互いの喪失感から引かれ合うのは分からなくもない。
互いを感じる指しゃぶり…幼児性と淫靡が同居、おそらくこの二人は感性が一緒なのだろう。
ゆえに保護者と被保護者の関係ではなく相互依存という形の存在。
親離れ・子離れできない今どきの親子関係にも似ている気もする(?)。
ヒロイン腐野花をして
<同じ血>が流れていると言わしめた象徴と思われる表現はあまりにストレートで笑ってしまったが、個性的な演出と取れば楽しめよう。(しかし、腐野とはすごい名字だ。)
むしろ、後半の東京の実生活のほうが嘘くさく感じてしまうのはなぜだろう。
行き遅れで焦りを感じさせる大塩小町(河井青葉)の絶妙な体型が良い。
モスクワで男優賞を受賞した浅野忠信も良いが、俳優として目覚ましい活躍を見せる二階堂ふみのマイルストーンとなる作品かもしれない。
スキャンダラスな恋愛を「愛し方を間違えている」というのは簡単だが、愛の形に正解はあるのか?
タブーな愛情表現ということで『愛のコリーダ』が引き合いに出されたりもしているが、両作品とも藤竜也がキャスティングされているのは偶然か?
投げっぱなしで気がかりな点も残るがあくまで二人にフォーカスした結果なのだろう。
ただ、個人的にはこの監督の編集のテンポが最後までなじめなかった。
原作は未読なれどリズムは違うのかも…。
(ということでパラパラと立ち読みにもならない程度だが、ざっと目を通した印象では“原作、面白そう”だった)
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