『
ランナウェイ・ブルース』
確かにこういう系譜の映画がある。
エミール・ハーシュ主演でロードムービー、おまけに兄弟ものときたらいやでも『イントゥ・ザ・ワイルド』を思い出す。ただし今回は妹ではなく兄。
そしてまた図らずも『イントゥ・ザ・ワイルド』の監督を務めたショーン・ペンの匂いをも…。
早くに親を亡くし、幼くしてジェリー・リー(スティーヴン・ドーフ)とフランク(エミール・ハーシュ)のフラナガン兄弟はたった二人で社会の荒波を渡っていかねばならなくなる。
愚かでいつも足を引っ張る兄をけっして見捨てない献身的な弟の姿に心打たれる。
弟の彼女アニー(ダコタ・ファニング)の生い立ちも不幸そのもの。
地獄のような毎日でも希望を失わなず生きる道を模索。
愛情なくつながれた犬は兄弟自身の投影に他なるまい。
兄弟の片方が賢くてもう片方は愚か…、古典のモチーフが表れているように思う。創世記の<カインとアベル>などに通じる関係が感じられる。そして宗教的に見ればアニーのつく職業は偶然とは思えない。
逃げ出すという表現はいい響きを持たないが、そうでもしないと生きられない厳しさも現実の世の中にはある。兄弟が逃げるのは法律の問題だけじゃなく、どこにも居場所がないからだ。
(それが原題の“モーテル暮らし”になっているのだろう。それにしてもダコタ・ファニングの死んだような目つきは印象に残る。)
中古車販売のアール・ハーリーの一言が胸に突き刺さる。
我慢できないときは逃げても良いんだ。
兄弟の逃げ場所が<そこ>にしかないことに涙する。
しかし、どれほど惨めな生活をしていても、人は誇りを忘れてはいけない。
ささやかな希望の芽は未来に撒かれたアダムとイヴなのか…。
でもさぁ、予告編は使うところを慎重に選ぼうよ…と思う。
関係ないが、後方の席にいた外国人が「He's gonna die.He's gonna die.」とうるさかった。(苦笑)
<試写会のお知らせ>
来る24日に『リベンジ・マッチ』いける方がいましたら、一名同伴可能。
(スタローンとデ・ニーロのボクシング映画)
場所は一ツ橋ホール、開場18:00、開映18:30。
開場の10〜15分程度前にこられる方希望。
希望者がおりましたらメッセージしてください。
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