『
アイ・ウェイウェイは謝らない』
「
黒い猫でも、白い猫でも、鼠を捕るのが良い猫だ」と��小平は言ったそうな。
現代芸術家アイ・ウェイウェイのアトリエでは数多くの犬や猫を飼っている。
その中で人間の真似をして、扉を開けるのを覚えた猫がいたという。
その猫を��小平が見たらなんと思うか。
アイ・ウェイウェイの名前を知らなくとも
北京オリンピックのメインスタジアム<鳥の巣>を手がけた人物の一人といえば、それとなく察しはつこう。
ところが、この人物は中国当局から危険分子として付けねらわれているのだ。
国家的な事業の一翼を担ったのに…?
疑問を解明するがごとく、カメラはアイ・ウェイウェイの私生活に入り込む。
直接の原因は四川大地震か。
純粋に被災者を思っての行動だったのだろうが、現実を隠したい政府は快く思わなかった。
これは日本でも他人事ではあるまい。
隠蔽体質と弾圧がアイ・ウェイウェイをいっそう批判的な態度に向かわせたことは容易に理解できる。
戦う武器に選んだ<テクノロジー>が、実に今時のもの。
どれほど国家が情報操作をしようとも、もはや止める手立てはないということを知るべき時なのだろう。それにしても露骨に監視されるあの国の社会の怖さはなんとも言葉が出ない。
ともかく人目に触れ続けようと気をつけている様子が手に取るように伝わる。
劇中で見られる現代アートの数々(ひまわりの種!)も面白いが、語られるアイ・ウェイウェイの父の履歴が興味深い。
共産党との根深い遺恨が彼の原動力のひとつとなっているのだろう。
無論、苦言を呈するのは祖国を愛すればこその裏返しであるが、現在の政治体制とは相容れない。
いくら共産党上層部が“扉を開ける猫”を処分しても、次の猫は現れる。
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