『ピクニック』@
第14回TOKYO FILMeX2013
これで今年のフィルメックス作品は最後!
原題の直訳が『ピクニック』で、英語題は『Stray Dogs(野良犬・捨て犬)』。
一瞬、同じ作品にしては随分と印象が違うと感じるが、中身を見ればそれとなく頷ける。
「これで引退」と宮崎駿が明言した2013年のヴェネチア映画祭で、もう一人の監督も<引退宣言>をしていたことは知られていよう。
ツァィ・ミンリャンその人。
前作の『ヴィザージュ』で引退予定だったのを、「計画外」で生まれたと話す。
人間の子どももそうかもしれないが、得てして予定外で生まれた“子ども”が“親孝行”(
ヴェネチア映画祭で審査員大賞受賞)をしたりする。(笑)
映画は台北郊外の廃墟で生活する父親と子ども二人の生活を描き出す。
作品中には謎の3人の女性が登場する。
少し見分け辛いのが難点だが、そもそも彼の映画は難解な点が多いから、見る人には織り込み済みか?
セリフをほとんどなくし、動きのみで感情を表現する様子をじっくりと映し出す。
全体に長回しが多い中でも、特に
ツァィ・ミンリャンの常連俳優リー・カンションがキャベツと取っ組み合う長回しは映画史上に残るシーンかもしれない。
廃墟で壁に描かれたラクガキを眺め続ける意味不明の女性のシーンなど、静止画かと思う動きのなさ。(いや、微妙には動いているのだが…)
もちろん解釈は見る人の自由だが、家族が崩壊し貧困にあえぐ現在の台湾(及び世界中)の庶民生活を憂えているのだろうか。
<野良犬>は<家をなくした現在の貧しい庶民>の姿であり、壁に描かれた風景は<失われた美しい過去>と見ることもできよう。
<野良犬>のような親子は、楽しかった<ピクニック>の記憶を思い出す…。
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