『ILO ILO(英題)』@
第14回TOKYO FILMeX2013
ここにも富める国へ貧しい国から職を求めて渡る姿が描かれる。
1997年のアジア通貨危機の影響下にあるシンガポールが舞台。共働きの家庭ゆえひとり息子の面倒が見れないためにフィリピン人<テレサ>を住み込みのメイドとして雇う。
しかし、ワガママ坊主はこのメイドをまるで受け入れず、監視の目をかいくぐってやりたい放題。
シンガポールの抱える経済問題を<ある家族の家計>に移し変え、移民問題や家族のあり方などを問うている。
互いを信頼し認めるのに<時間>の忍耐は必要不可欠なものだろう。
それが人でないとしても。(笑)
憎たらしいガキんちょがメイドに感化され次第に変わってゆく様は、分かっていても心温まる。
卵や髪といった小道具にこだわる演出が効果的で、アンソニー・チェン監督の長編デビュー作は少年の成長物語を軸にメイドとの人間関係を瑞々しい映像で描ききった快作ではないか。
なんと言ってもキャスティングが光る。
ともかく憎たらしいワンパク坊主のツラ構えが良い。メイドを演じたフィリピン女優が作品の品格を背負っている印象。
実はこれは監督自身の体験が基になっているという。
子供時分に自宅にはフィリピン人のメイドがいたそうで、そのメイドの出身地が英題の『ILO ILO』なんだそう。なるほどそれで甘酸っぱい余韻が残る映画だったのか。
カンヌ映画祭でカメラ・ドール(最優秀新人監督賞)を受賞。
(邦題は未定だが、公開は決定している)
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