『花咲くころ』@
第14回TOKYO FILMeX2013
ソ連解体直後に独立を果たしたとはいえ、内戦による不安定な状態にあった90年代のグルジア。
そこは暴力による支配がいまだに横行している社会。
父がおらず感情をあまり表さないエカとアル中の父を持つ外向的なナティアは親友同士。
不良にからかわれることが多いナティアに護身のためと親しい少年から手渡された銃がさらに不安を呼び起こす。
青みがかった寒々しい映像からは90年代とは思えないほど古臭い感じがして、グルジアの経済レベルが感じられる。
食料品のパンを買うにも開店時間を待って長い行列の末に奪い合うかのようにして手に入れる。
毎日がサバイバルなので、勉学に身が入ることすら容易ではなく、思春期の楽しみも得られない。
大黒柱の不在・不安定はグルジア国家そのものを指すのだろうか。
家庭からも学校からも締め出され、どこにも居場所のない彼女たちには自由も自立もまるで望みがないように感じられ、真にやるせない。
銃は男たちによる内戦を思い起こさせるアイテムであるが、一方で彼女たちの使い方に注目したい。
「単なる道具」をいかに使うか。制作サイドは女性にこそグルジアの未来を託しているのだろうか。
キャスティングが良い。どことなくクロエ・グレース・モレッツに似た風貌のナティア役の子も魅力的だが、とりわけエカ役の抑えた芝居がジワッと来る。
結婚式でエカが見せるダンスは見せ場の一つか。
抜け出すことすら叶わない苦境の中でも自分と向き合う勇気や覚悟の大切さを教えられる。
この作品が今年の最優秀作品賞を受賞。
個人的には今年見たコンペ作品はどれも横一線という印象もあり、結果は僅差なのかな?…と感じた。(半分は未見ですが)
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