第14回TOKYO FILMeX2013
『若さ』
閉塞間の中にいる現状を打開したいと思うのは誰しも同じ。
しかし、まともな方法では太刀打ちできないと考える<若者>は凶行に走る。
今の時代、格差社会はどこにもあるだろう。
大黒柱の父の失職が引き金となり、金銭問題が家族に降りかかる。
兵役についたために父に代わって働いて支えられない兄と、まだ安いバイトしか出来ない学生の弟。
二人が思いついた安易な解決方法は営利誘拐。若さゆえの過ちを犯す二人…。だが思わぬ誤算が生じ、そこから亀裂と葛藤が生まれてゆく。
イスラエル社会の抱える貧富の格差、徴兵、人種問題、宗教問題などが絡み合って、一筋縄では解決しない緊迫したドラマを生み出している。
最終的な<解決プラン>がとても重く圧し掛かる。
出口のない閉塞感から脱する日は来るのか…。
兄弟を演じた二人は本当の兄弟(双子)で、仲の良さは本物。
素人だった兄弟をスカウトして演技レッスンしたそうだが、これが中々厳しい。
「(犯罪者の心理を理解するために)
スーパーマーケットに行って万引きしてきなさい」というもの。
頑として断る兄弟に「役を降ろす」と脅して強引に指導したそうだ。
もっともこれには裏があり、初めからスーパーマーケットには了解を取っていたそうだが、それを知らない兄弟の内心はさぞハラハラドキドキだったろう。
用意周到に役者のニセ店員も配置してあり、万引きした彼らを問い詰める算段までしていたというから、役者業をやるのも大変だ。(笑)
その甲斐あって(?)兄弟は見事に犯罪者になりきった芝居を見せたと思う。
ターゲットを追うカメラワークがスリリング。ただ犯行そのものは迫真ものであるが、後始末が腑に落ちない…。
「責任を負うのは彼らじゃない」とでもいいたいのだろうか…。
上映後には監督のトム・ショヴァルのQ&Aが行われた。
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