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2013年11月21日22:52

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『フィルス』

『フィルス』

 FILTHとは<英国のスラングで警察、ごみ、汚物、悪態、卑猥な言葉、淫らな考え、堕落、悪党、売春婦> などを指す言葉なんだそう。
まさにそれらを全部ひっくるめた作品。(笑)

 どうにも救い難い男ブルース・ロバートソン刑事、勤務中の飲酒・ヤク中・自信過剰で寝取り男・出世のためなら策略だって何のそのというダーティーな役柄をジェームズ・マカヴォイが熱演。
『トレインスポッティング』のアーヴィン・ウェルシュの原作をジョン・S・ベアードがメガホンを取る。

 街がクリスマス気分に包まれたある晩、日本人留学生が通り魔殺人の被害にあう。
それを目撃する謎の金髪美女。<出世のために>捜査を担当したブルース刑事は事件を解決できるのか…。
現在進行形の捜査と各家庭内の問題、署内の出世レースがブラック・ユーモアを交え多層的に入り乱れる。(ブラック過ぎて笑えないこともしばしば…)
所々テリー・ギリアムに通じる匂いを感じる。
しかし、良い子の皆はコピー機であんな悪戯をしてはいけません。(笑)

 アーヴィン・ウェルシュの原作らしくドラッグやそれに伴う幻覚などがスタイリッシュな効果をもたらす。
冒頭からジェームズ・マカヴォイ扮するブルース・ロバートソン刑事の独白と妄想で展開し、シュールでトリッキーな手法からも<秘密>があることは容易に想像がつく。

 クズ野郎ブルースには共感しにくいが、その<秘密>が明かされると「なるほど」と膝を打つ。
閉塞感ある出世社会でしか生きられない現代人の悲しさと、家庭の現実と理想のギャップは他人事ではあるまい。
そんな腐った世の中に対してもささやかな希望を捨てていない点に作者の想いを見た気がする。

 ジェイミー・ベル、ジム・ブロードベント、エディ・マーサンなど英国映画界の渋いキャスティングが良い。

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