『
ばしゃ馬さんとビッグマウス』
これは中々痛い設定…。<夢を諦めない>とか<夢に向かって>…とかとかく世間は奇麗事を並べがち。
しかし現実の大半は泥沼につかり、いつまでも踏ん切りがつかず、気がつけば<こんな年>。
脚本家の卵が自分と向き合い、夢と現実のはざまで揺れ動く様を体験談かと思われる要素を交えて描いている。(推測だけど、取材元は脚本家自身だよね?ちなみに吉田恵輔監督と仁志原了による共同脚本。)
実体験じゃないと出てこないようなネタがそこかしこに見られる印象を持った。
書けども書けども落選続きで目が出ない<ばしゃ馬さん>(麻生久美子)と一度も書き上げたこともないのに口ばっかりの<ビッグマウス>(安田章大)。
どういう世界の人でも、身近に似た人物(自分自身を含む)を思い出せるのではないか?
「
ある、ある」と思う人がいても当然だと思う。
正直いうと、「もしかして二人のどちらかはファンタジー設定か?」と疑って見ていたりもした…。
舞台はなんであれ、<夢追い人>は万国共通。
頂点の下には巨大なピラミッド。誰もが頂点に上り詰められるわけじゃないことも百も承知だが、底辺があるから頂点があると自分を慰めたくはない。
今の映画産業や観客を皮肉ったと思えるセリフにはニヤリとする。麻生の奮闘もいいが、
安田のハマり具合にビックリ。ため書きなのだろうか?
<成りたい自分>の前に<偽りのない自分>へとたどり着くことの大切さを訴えたかったのか。
ちゃんとチャレンジする大切さは分かるけど、落としどころには案外マジメなのね…と思った。
ただし、もう少しツイストが欲しかったし、
個人的にはこの結末は嫌いだ。
感情論で判断するのは本意ではないが…。
余談だけど、当選したら雑誌発表の前に当人に電話連絡あるのが普通だと思うから、発売日まで知らないというのは…結果は分かっているよね。

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