『
ある愛へと続く旅』
カツ丼の上にバニラアイスが乗っかり、そこにもずく酢と味噌汁をかけてチョコレートケーキをトッピングしたメニューが出てきたら…いくら各々の料理が美味しくても食べられる自信はない。
どうにも同じ作品にあってはならないものが乗っかっている印象を強く持った。
ある日、サラエボから連絡があり、中年になったジェンマ(ペネロペ・クルス)は留学していたかの地を息子と共に訪れる。そして家族にまつわる物語が紐解かれてゆく。
さながら<ルーツ探しの旅>は懐かしくもあり、しかし居心地の悪さも待ち受ける…。
<代理母問題>は、時や所を超えても難問だろう。
それはそれで十分説得力は持つのだろうが、時間軸をやたら動かし、そこに紛争の悲劇とさらに
余計な問題まで加わってしっちゃかめっちゃか。
運命に翻弄される悲劇の主人公という流れは『灼熱の魂』を想起するけど、計算ずくというよりも“足し算で盛りました”という印象がぬぐえない。
個々のシーンには魅力を感じる箇所もあったけど、何を一番見せたかったのか?
若い頃から中年までを演じきったペネロペ・クルスの芝居は見事であるが、最後に見せ場を取られてしまってなんだか気の毒でさえある。
あんな仰天の試練を見せ付けられたら、ジェンマの抱える問題は茶番にしか思えない。
これが連続(大河メロ)ドラマならまだしも、一つの作品としてはこのワンプレート豪華盛りは…ちょっと「いただけない」。別々に味わいたかった…というのが本音。
ただ、最新の老けメイクの凄さには感服…。

ログインしてコメントを確認・投稿する