『
樹海のふたり』
世界遺産に登録され、ますます脚光を浴びる富士山。
しかし、その麓には暗く影を落とすような<樹海>が広がる。
自殺の名所というありがたくないニックネームを頂戴して、悪い意味で<訪れる人>は後を絶たない。
TV局に務める<負け組>の若いディレクター二人がチームを組んで、自殺志願者取材を敢行するという劇映画。いくらなんでもこれだけで2時間を持たせるのはシンドイかと思いきや、いつしか仕事の裏に隠された彼らの私生活の影の部分をも映し出す。
監督は自身もドキュメンタリー畑で活躍していた山口秀矢で、なるほどと思わせる箇所が随所に見られる。
手持ちのカメラ撮影という手法もさることながら、日本社会の抱える様々な問題を織り込み、真正面から生きることへの問題提起をしている。
実際に取材したからこそ分かる<樹海>のウンチクにも思わず頷いてしまう。
出自ゆえか過度にエモーショナルにならず、客観的な視点で見つめているのが印象的。
(その分、盛り上がりには欠けるかもしれないが…)
人間に表と裏があるように<樹海>にも別の側面がある。
生きている限りいかなる絶望の中でも希望を捨ててはいけない…と、その
再生の象徴として<樹海>を重ねているのは感銘を受ける。
主演を務めるお笑いコンビ「インパルス」の二人も大げさな芝居になっていなくて好感が持てるが、「きたろう」「烏丸せつこ」といったクセモノの存在感がギラリと光る。
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