『
最後のマイウェイ』
だれもが知っているフランク・シナトラのヒット曲『マイ・ウェイ』。だが、その誕生過程にこんな話が隠されていたとは知らなかった。
ジミヘンにジャニス・ジョプリン、古くはモーツァルトしかり若くして亡くなったミュージシャンは数多く、この映画の主人公もその一人。映画は60〜70年代にフランスで活躍した歌手クロード・フランソワの波乱万丈の生涯をじっくりと丁寧に描いている。
歌手ではあるが作曲から衣装やステージング、果ては会社設立まで完全主義者ぶりを発揮するのには恐れ入る。
時間軸をそのままに当時の風俗もよく再現されていて、音楽のスタイルの流行り廃りとともにタイムスリップさせる。「ああ、確かにあの時代の音楽はこうだったな」という思いが上映時間の長さを忘れさせる。
ただ、丁寧といえば聞こえはいいが、
あまりにストレートな演出に一工夫欲しかった気がするのも本当のところ。
流行に敏感で貪欲に吸収していくプロフェッショナルな姿には感服するが、一方で女性に対してはどうだったのか…。傲慢で身勝手な振る舞いの影には少なからず母の影響があったのだろうか?
写真で見る限り、
実在のクロード・フランソワになりきっていたジェレミー・レニエの演技は特筆ものだが、卑下するほど「不細工でチビ」には到底思えない…。(苦笑)
ミュージシャンにありがちな早すぎる死。しかもつまらないことが原因ならば悲しむべきことなのかもしれないが、不思議と涙は出なかった。
それは生み出された音楽が生き続けているからだろう。
“我が道”を生きた男が作った『マイ・ウェイ』は今日もどこかで歌われているに違いない。

ログインしてコメントを確認・投稿する