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2013年08月03日23:25

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7月に観たもの

7月スタートのTVドラマで一番身を入れて見ているのは『Women』。
説明台詞ではなく、表情や情景だけで語ってみせるのはさすが。
ロケ撮影も身近なところだけに、彼らがすぐ近くにいるように感じられる。
この作品の質感は、是枝監督作品（ことに『誰も知らない』）に似ているかも。

今期の夏ドラマでは耕史くん出演の『激流』『ぴんとこな』も、
一応見てはいる。（後者はあまりにヒドイので録画早送りチェックして消去）
ドラマとしての興味はないけれど、ロケ地でよかったところは訪れてみたので、
久々にロケ地めぐりの回数が増えてしまった。

それにつけても殺人的な猛暑が続いた後、突然豪雨となる不安定なお天気続き。
傘は必需品の日々の中、よく雨をかいくぐって回れたものだと思う。

＜映画＞
・ティファニーで朝食を（たばこと塩の博物館）　7月14日
オードリー・ヘップバーン主演のなつかしい作品。
この博物館の視聴ホールでは、しばしば展示内容に合わせた映画を上映するが、
入館料100円だけで観られるのがありがたく、時々お世話になる。
そういえばヒロイン・ホリーは細長いキセルを使っていたし、
昔の映画を見ると、煙草は本当に重要な小道具だったんだなあと思う。
ニューヨーク公共図書館でのやりとりは、司書役の女性にはお気の毒だが、
ずらりと並んだ目録カードボックスに郷愁を感じる。
ついこの間まで図書館と言えばこうだったのに。
しかしまあ、改めて見るとホリーってとらえどころのない勝手な女性。
オードリー・ヘップバーンが演じてなかったら鼻持ちならないだろう。

・マリーゴールドホテルで会いましょう（20世紀FOX試写室）7月25日
DVD発売記念の試写会に当選した方から誘っていただいて。
それぞれの事情を抱えた英国人のシニアたちが、
シニア向けの高級リゾートホテルとの謳い文句にひかれて
はるばるインドまで来て見れば、その実態はオンボロ老朽ホテル。
異文化の洗礼にも翻弄されながら、しだいに新しい自分を見つけてゆく彼らが、
だんだん可愛らしくいとおしく思えてくる。

7人の老人の中、語り部でもある未亡人役の
ジュディ・デンチの芯のつよさはとても好感が持てるし、
一番頑なで人種差別的な発言をしていた元家政婦役の
マギー・スミスの圧倒的な存在感も素晴らしい。
能天気で前向きな若きホテルオーナーの青年の恋と目標の成就は、
いささかご都合主義ではあったけれど、とても後味の良い佳品。
この古びて傷みかけたホテルの意匠も実に私好み。
もしここに行けたらあちこち写真を撮りまくってしまうだろう。

＜ステージ＞
・骨寄せの岩藤[七月花形歌舞伎昼の部]　（歌舞伎座）　7月28日
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2013/07/post_61-ProgramAndCast.html
4月の柿落以来ずっと幕見ばかりだったが、ようやく三階席で観劇！
なるほど一階売店はこちらにまとめられ、ここがエスカレーター部分か、
とようやくつくりの変化を実感。
しかしこの演目はいささか薄味で、ちょっと面白みに欠けたような。
ひとつには以前の先代猿之助のこってりした見せ方が強烈だったからだろう。
あれ、岩藤の宙乗り横移動でさらっとこれだけ？とか、
あっさりすらすら進むので、いろいろ物足りない感は否めない。
でも花形とはいえ、もう皆しっかりしたレベルで、その点は安心。
特に菊之助はもう安定安心の貫禄すら感じる。口跡のよいのはお父様ゆずり。
比べてしまうと染五郎はちょっと声が弱い気がする。

＜展覧会＞
・夏目漱石の美術世界展（東京芸術大学美術館）　7月7日
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2013/soseki/soseki_ja.htm
”漱石の文学作品や美術批評に登場する画家、作品を
可能なかぎり集めてみる”ことを試みた展覧会。
若冲、華山、ターナー、ミレイ、青木繁、黒田清輝、横山大観など、
古今東西の画家たちの作品を、漱石の眼を通して見直すのは面白かった。
漱石は本当にまめにあれこれ見ていたのだなあと感嘆する。
展示作品のそばに、漱石がその作品について触れている文章も
並べて提示されていて分かりやすい。
ミレイのロンドン塔の絵はとても印象的。
漱石の『倫敦塔』の文章もより生々しく迫ってくる。
橋口五葉による『吾輩は猫である』等のブックデザインも
味わいがあって素敵だった。

・江戸の美男子（太田記念美術館）　7月14日
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
”春信、歌麿、北斎、国芳が描く男たち”というサブタイトルで、
若衆や二枚目、伊達男たちを描く浮世絵の展示。
おおまかなくくりだけれど、たとえば春信描くなよやかな若衆と、
国芳描く俱梨伽羅紋々の男たちは全然違う世界。
やっぱり国芳の男たちはかっこいいなあと痛感。
役者絵もわくわくしてしまう。今で言うブロマイドだもの。
女と見紛うような若衆は意外に酷薄で冷淡なイメージが多い。
蚊帳を出る男にすがりつく遊女、という図案はいくつかあって、
女のなりふりかまわぬしどけなさにどきっとした。

・ファインバーグ・コレクション展「江戸絵画の奇蹟」（江戸東京博物館)　7月15日
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/2013/05/index.html
日曜美術館アートシーンで紹介した際、
新さんが興奮して饒舌になっていたのもむべなるかな。
応挙、若冲、蕭白、北斎など奇想派の作品や、
光琳、抱一、大雅、蕪村、文晁など、多彩で初めて見る作品が殆ど。
本当にレベルの高いものばかりで見飽きない。
其一の「群鶴図屏風」の美しいリズムに惚れ惚れ。
蕭白の「宇治川合戦図屏風」の色合いも素晴らしいが、
このひとの手になる人物はみんな気がふれてるように見えるなあ。

・あまちゃん展（NHKスタジオパーク）　7月27日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1908197944&owner_id=949383

・幸之助と伝統工芸（パナソニック汐留ミュージアム）　7月28日
http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/13/130413/index.html
パナソニック前身の松下電器創業者・松下幸之助氏のコレクション展。
氏が日本の伝統工芸に深い理解を示し、その普及を支援していたことは、
この展覧会の紹介までよく知らなかった。
茶道具の茶碗もシンプルながら力強い黒、赤などの色が鮮やか。
大ぶりな器はダイナミックでうつくしい。氷のような青の綺麗なこと。
森口華弘、ならびに森口邦彦の大胆なデザインの友禅が素晴らしかった。

＜散策・ロケ地めぐり＞
・高輪プリンセスガルテン　7月3日

・都電学習院下～西早稲田～雑司ヶ谷鬼子母神～日無坂　7月6日

都電荒川線・学習院下駅（『Woman』第一回ロケ地①）
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906691527&owner_id=949383
緑の鉄橋を渡る都電（『Woman』第一回ロケ地②）
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1907066086&owner_id=949383&org_id=1906986809
雑司ヶ谷鬼子母神参道と関洋装店（『Woman』第一回ロケ地③）
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1907154905&owner_id=949383&org_id=1907066086
西早稲田の階段（『Woman』第一回ロケ地④）
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1907371606&owner_id=949383&org_id=1907154905
日無坂と富士見坂（『Women』第一回ロケ地⑤）
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1907375586&owner_id=949383&org_id=1907371606

・すもも祭（府中・大國魂神社）　7月20日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1907629145&owner_id=949383

・千登世橋　　7月24日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1907932272&owner_id=949383

・多摩川浅間神社　　7月27日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1908834422&owner_id=949383

・潮風公園　7月27日
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=949383&id=1908401076

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