『
塀の中のジュリアス・シーザー』
異色のドキュメンタリー。リアルとファンタジーの両方にかかる演劇は珍しいかも。
刑務所の中といえば、規律に縛られ芸術的な活動なんて無縁に思える。
刑務所内を扱った映画では無気力な囚人に音楽や絵画などをさせて人間らしい希望や意欲を持たせる…なんてこともしばしば見られる。
これはイタリア、ローマにあるレビッビア刑務所の長期受刑者をキャスティングしたシェイクスピア劇『ジュリアス・シーザー』の内幕を追ったドキュメンタリー。
受刑者なので当然といえば当然なのかも知れないが、いかつい目つきや体つきに驚かされる。
承知の通り『ジュリアス・シーザー』といえば、「ブルータス、お前もか」で知られる悲劇。
通常、
舞台役者で“殺人”の経験がある人なんてまずいまい。(笑)
それがここでは<本物>がいる。おそらく殺人に至らなくとも傷害事件レベルなら珍しくないのでは?そのために取っ組み合うシーンは只ならぬ迫力が漂う。
撮影がモノクロで舞台が刑務所という影響もあって、まるで『ゴッドファーザー』か『ゴモラ』かという趣。史劇というよりフィルム・ノワールに近い芳香を放っている。
役柄がキャストと重なり、リアルがファンタジーを侵食し始めるあたりに背筋がゾクッとなる。
タヴィアーニ兄弟ここにあり!
ブルータスを演じた役者がとりわけ際立つ。
銀座テアトルシネマ、カウントダウン!
あと何回これるかな?
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