『
テイク・ディス・ワルツ』
イスに座り仲良く肉まんをほお張る若いカップル。
陽が落ちると少し肌寒くなってきた季節が二人を近づけているようだ…。
男が食べ終えて立ち上がろうとしたときに「私、まだ食べているでしょ!」と語気を荒げる女。
無言でスゴスゴと座りなおす男。
映画が始まる前にロビーで目撃した光景だが、映画を見終えて真っ先に思い出したことでもある。
隣の芝生は青く見えるのは世の常であるし、同じ環境に長くいればマンネリになるのも当然のこと。
だが、<結婚>はそれを承知で誓い合うんじゃないの?
2時間かけて、こんな当たり前のことを切々と訴えられても正直困惑する…。夫と妻のどちらの気持ちで見るかによって意見が分かれそうな映画。未婚の私には計り知れないことといわれたらそれまでだが、夫に非がないように思えるだけに余計ヒロインの身勝手さが鼻についてならない。
コメディ畑のセス・ローゲンにまじめな夫役をキャスティングするあたりにサラ・ポーリー監督のしたたかさを感じるが、やはり
ミッシェル・ウィリアムズのうまさはピカ一。
彼女だから緩和され共感されやすさもあると思うが、現実にあったら男はドン引きするのが“普通”じゃなかろうか?
飛行機の乗り継ぎが不安になると冒頭で述べているが「そもそも“飛行機”に乗ってるふりしていただけ」ではないかと問いただしたくなる。(程度問題だが、)決して探しているものは外にあるのではないと思うよ。
女性監督ならではというべきか、女性の露骨な部分の描写に遠慮がない。
何もそこまで…と思うほど<赤裸々>なシーンをガンガン入れてくる。
また女性監督ならではなのか、柔らかな光線や色彩のポップさも目に付く。
ポップといえば、遊園地でバックに流れる
バグルスのヒット曲「ラジオ・スターの悲劇」が暗示的効果を示す。知っての通りMTV黎明期に頻繁に流れた曲だが、
一つの時代の移り変わりを歌っている。アバウトで恐縮だが、「昔の良さを忘れたくないけど、今の子どもには分からない」…といったような歌詞。
脱線するが、バグルスはこの曲で新しい時代の寵児となったのだからなんとも皮肉なことである。
http://www.youtube.com/watch?v=7XLE1Q2ohJ4
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