『
鍵泥棒のメソッド』
自分っていったい誰なんだろう?
もちろん、親からもらった名前はあるが、表面的なことじゃなく内面的なこと。
<なりたい自分>と言うけど、資質を含め的確につかめている人ってどれくらいいるのか?
ふとしたことで記憶をなくした謎の<殺し屋>さんと人生を入れ替えた売れない貧乏役者、それに<結婚>という結論だけを決めていて中身の抜け落ちている女。
広い意味で自分探しの映画なのか。
それぞれキャスティングが良い。
前作『アフタースクール』に引き続き出演の堺雅人の絶妙な間の取り方、両極端な役柄を演じ分ける香川照之、感情表現が不器用な役どころの広末涼子。
各人の設定を生かした見せ場が与えられるのも好印象。
特に
記憶喪失直後のコンドウ(香川照之)の着こなしには笑みがこぼれる。
役名の<コンドウ>とは二面性を演じる<混同>から取られたか。(苦笑)
しかし、小さなことだが気になったこともある。
最初の<殺人事件>が夜間に行われるのに、銭湯に行くまで時間がありすぎじゃないの?
裏工作していたにしても、銭湯に行く<きっかけ>に気がつくのは遅すぎる…と思う。
さらに小さなことで恐縮ですが(苦笑)、
ハンドガンのハンマーを起こしたまま保管するプロの殺し屋はいません。(いや、プロの殺し屋に知り合いはいないので、想像ですけど。)
筆跡の違いや各人のイメージを重視した車種選びまで気を配っているのに…、ちょっと惜しい。
だが全体としては内田監督らしいトリッキーな演出を今回も楽しませてもらった。
立場は違っても人間として未熟な三人が少しづつ成長を見せるのも後味がよい。
映画に匂いがなくて良かった…もしくは残念。(笑)
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