Ben & Jerry's とTwinkie（『ttB』の甘いお菓子）

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but unlike other Boomer Juniors haven't progressed to
more socially　accepted fixes,like Ben and Jerry's.
I go for the original high-powered numb-busting goodness of the
Hostess Twinkie snack cake.

「だけど他のみんなとちょっと違ってしまったのは、
ベン＆ジェリーズの高級アイスクリームなんかより、
まだ指をくわえてる小さな男の子が愛してやまない
トゥインキーのカステラケーキを大好きになってしまったこと！」
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＜Ben & Jerry's（ベン＆ジェリーズ）＞
M.9『Sugar』を歌いだす前、
デリに駆け込んだジョナサンがお菓子について語る台詞のなかで、
お気に入りのトゥインキーと比較するベン＆ジェリーズのアイスクリーム。
前回の訳ではただ「高級ブランドのアイスクリーム」となっていたけれど、
今回はオリジナル通り「ベン＆ジェリーズ」と言っていて、
売り場に並んでいるその水色の紙カップをちょっと持ち上げてみたりもする。

「Ben & Jerry's」はベン・コーエンとジェリー・グリーンフィールドが
1978年に創業した店から成長したアイスクリームブランド。
http://www.benjerry.com/（アメリカ公式HP）
http://www.benjerry.jp/（日本公式HP）
中学校時代に出会ったという二人の親友が、
最初は悪戦苦闘しながらさびれたガソリンスタンドで始めたという
創設エピソードを読むと、素朴というか微笑ましくなるけれど、
ともかく今は世界的に展開している人気ブランド。

前回の訳で名前が出ていなかったのは、
まだ日本に店舗もなく名称になじみがなかったからだろうが、
今年4月に初めて表参道ヒルズに出店したこともあってか、
http://www.shibukei.com/headline/8435/
今回はちゃんと名前が出てきたのは嬉しい。

4月の日本進出のニュースを教えてくれたのは、もちろんKさん。
私の購入したオリジナルスクリプトも読み込み、
前回の舞台の書き起こしもしている彼女は出てくる名称にも精通している。
「ジョナサンはこれじゃダメなんだ、って言ってるけど、
ttBの中に出てくるんだから、一度味見してみたいね」とのことで、
昨日表参道で落ち合って二人して思い思いのメニューを頼んだ。

私は一番人気というチェリーガルシア。彼女はオーマイアップルパイ。
たっぷりチャンク（具）が入ったアイスクリームは濃厚で美味。
舞台で見たのと同じ水色の紙コップには、
「BEN & JERRY'S」の店名の下に、
「PEACE LOVE & ICE CREAM」と記されている。
今回の公演中に味わえたのは良い記念になった。

＜Twinkie（トゥインキー）＞
ジョナサンが愛してやまない「トゥインキー」とは、
真ん中にクリームが入っている細長いスポンジケーキ。
ホステス社によって開発されたスナック菓子で、
広く一般に知られているジャンクフード。
長さ10cm×幅2.5cmで、通常は2個入りパッケージで販売されている。
細長い楕円のかたちから、ラテンアメリカでは「サブマリーノ」
（"Submarino"＝「潜水艦」）という商品名で売られているとか。

映画『ゾンビランド』や『ダイ・ハード』にも、
この菓子の熱愛者が出てくるらしい。
スポンジ自体もクリームも半端なくしつこく甘いのだそうな。
相当覚悟しなくちゃならないレベルの甘さのようだけど、
残念ながら日本では売られていないので、こちらの味見は出来ていない。

日本ではアメリカと違ってなじみがないせいか、
前回の舞台では、オリジナルにはない説明台詞が加えられていた。
「知ってるかい？…甘いんだ！
1978年サンフランシスコ市議を撃ち殺した犯人は、
”犯行の直前、ホステス・トゥインキーのカステラロールを食べ、
意識が朦朧としていた”と主張！
本当さ…それくらい甘いんだ！」
これはハーヴェイ・ミルク議員とモスコーニ市長の二人が射殺された
実際の事件のこと。犯人は元市議のダン・ホワイト。
2009年にはショーン・ペン主演で映画化もされている。

『MILK〜ゲイの市長と呼ばれた男　
ハーヴェイ・ミルクとその時代』（上・下）
ランディ・シルツ著（祥伝社文庫（2009年4月）の下巻p.255によれば、
「さらにほかの精神科医は、ダン・ホワイトのジャンクフード好き―
とくにスポンジケーキのトゥインキーズやポテトチップス、コカコーラを
しょっちゅう口にしていた―が殺人を引き起こしたという説を披露している。
血糖値が極端に上下することで、元来の躁鬱傾向が増幅されたというのである。
この主張にはすぐにトゥインキー・ディフェンスの呼び名がついた」

結局ダン・ホワイトはわずか5年の禁固という軽い刑となり、
怒ったミルク支持者たちの暴動は「トゥインキー暴動」の名でも呼ばれたとか。
こういう一連の事件を知ると、笑い話どころではない事態に慄然とする。
この甘さはもはや麻薬に近い中毒症状を引き起こすのかも。
ジョナサン、大丈夫だったのかな。

*写真は左から順に

・Ben & Jerry's表参道店

・紙カップ入りのアイスクリーム

・Kさん手作り（労作！）のTwinkieのミニチュア