『
闇を生きる男』
実際に1995年にベルギーで起きたホルモン・マフィアによる殺人事件を基に描かれたという。
壮絶な人生にも数あるが、ここに生きる男も人に言えない闇を持つ。
マッチョな肉体を持つ主人公ジャッキーは<
あるべきものの喪失>に悩み苦しむ。
それがホルモン・マフィアと重なる仕掛けの巧みさ。
ホルモン・マフィアとは<薬で超人ハルク>のようになるわけではなく(笑)、
家畜にホルモンを使い肉質を上げて非合法に売りさばくマフィアたちのこと。
経済的ウマミがあるところには非合法組織が存在するのは古今東西を問わない。
友情と裏切りが中核を成し、殺人事件と20年来の仄かな思いが交錯する。
キャストはまるで知らない俳優たちだが、一癖も二癖もありそうな面構えが<いかにも>という暗黒世界をかもし出す。
生命の根源的な問題を社会問題と組み込んで見せる手腕は見応えあるが、男性向けの題材か。
ジワジワと首を絞めつけられるような息苦しさと不器用な男の哀れさに声も出ない。
本年度アカデミー賞外国語部門ノミネート。
余談ながらブルーレイ上映。
ブルーレイだからというわけじゃないと思うが、画質はあまりよくない。
ホワイトリンギングが目に付くところがあり、黒が沈みきらず発色も今ひとつなのだ。
きっとテレシネの問題かと思うのだけど、この点は至極残念。
作品の性質上、漆黒になりきらないのは致命的(かと思う)。
困ったことに、この予告のほうがはるかに上品なタッチに見える…といっては言い過ぎか。
ログインしてコメントを確認・投稿する