『
WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々』
またもや内容を解説した“
親切な”サブタイトルがついています。
邦題命名班にセカンドチャンスを期待するのは望み薄か?(笑)
さて、『扉をたたく人』の監督トム・マッカーシーの新作映画はやはり彼らしく、現在のアメリカ(ひいては世界)の抱える問題を織り込んだ、−しかし重くなりすぎない−軽妙で心温まるドラマになったかと思う。
世のルール遵守と人間としての尊厳ある生き方の究極の選択を迫られるギリギリで生きる人たちの物語。
幸福とは何か…不況、家庭崩壊、セカンドチャンス…と現代を反映するテーマが目白押し。
世知辛い社会でなければ出会わなかったであろう組み合わせの妙を手際よくまとめている。
並みの脚本ならリズムが停滞しそうなところをサクサク進める手腕は評価したい。
僅か106分と短めだが、反芻するほどに味わいが広がってくる作品に思える。
主人公マイクは弁護士をしているといってもカッコいいヒーローではなく、泥臭い地味な存在(見た目も?)だが、それだけに説得力や共感が持てる。なにより、「
自分でも出来るかもしれない」とセカンドチャンスを信じる気持ちにさせることが何より素晴らしい。
『アイアンクラッド』とはまるで別人のアプローチを見せるポール・ジアマッティにしびれる。
正義心と魔が差す瞬間とが入り混じった人間臭い凡人像はピカイチ。
この人が演技するなら脚本が<タウンページ>でも見てみたい。(笑)
完全な悪や善がない世界は信用出来る気がした。
(8月18日より順次ロードショー)
ログインしてコメントを確認・投稿する