『
愛の残像』
愛は人に力を与える反面、喪失によるダメージは計り知れない。
狂おしいまでに燃え上がった恋の炎はどこまでも人を変えてゆく。
はかなく壊れやすい繊細なキャラクター像を主演二人(ルイ・ガレル、ローラ・スメット)はよく体現していたのではないか。
二人寄り添いながらの幸福そうな寝顔が印象的。
…そう、この二人にとって幸福は眠りの中にしかないのがミソ。
監督は<
ゴダールの再来>とも呼ばれるフランス人<フィリップ・ガレル>。
確かにヌーヴェルバーグの芳香を放っていると感じる。
強烈なまで陰影のついたキレのいいモノクロームの撮影が見事。
どのフレームを切り取ってもアートとなりうるのではないか。
色彩を排除したことで<純度>が上がった気もする。
一方で、男女の恋愛について幾度となく描かれたパターンから脱しているとは思えず、さほど新鮮味を感じない脚本や演出に、
これはいつの作品なのだと小首をかしげたくもなる。
作品の残像はちっともヌーヴェルではない…。
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