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2012年05月29日01:16

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『アイアンクラッド』

『アイアンクラッド』

 戒律、信念、忠誠心…どれも大切なことだが、自分を殺してまで貫く価値があるのか、もしくは両立するのか。神に帰依したテンプル騎士団の騎士が<神のため>と<個人のため>を両天秤にかけ心が揺れ動く様子は現代にも通じるテーマであろう。

 イングランド史上最悪の暗君と称される<ジョン王>。
映画は“マグナ・カルタ”直後の時代、主に<第一次バロン戦争>を描く。
きっと英国の子供なら常識的に習うのだろうが、世界史に疎いものにとっては不明な点もあるかも知れない。むしろ『ロビンフッド』の時代といった方がなじみがあるか。

 ロチェスター城を舞台にテンプル騎士団を含めわずか20名程度がジョン王の軍隊1000人と繰り広げる迫力ある戦いが見もの。
また、実際にロチェスター城のセットを組んだというのもリアリティ向上に一役買っている。

 ジョナサン・イングリッシュ監督は当時の武器を調査し、“本当の戦闘シーン”にこだわったというだけあり、これまで中世作品でグロ過ぎると避けてきたであろう表現を前面に打ち立てている。
ここだけ見れば、なまっちょろいホラー顔負けの<切株映画>である。(苦笑)

 キャスティングではジョン王を演じたポール・ジアマッティがひときわ素晴らしい。
<暗君>という先入観をもたれる役柄に人間らしさと厚みを加える。
おそらく…いや確実に『七人の侍』(もしくは『荒野の七人』)の影響が伺える点も散見できて、そこもまた興味深い。
惜しむらくは主人公の騎士に魅力が今ひとつなのが残念だが、歴史物が好きな人は一見の価値はあると思う。

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(6月9日より公開)
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