もともと百人一首や源氏物語の世界が好きで、
なんとなく慕わしく思っている平安文化だけれど、
大河ドラマ『平清盛』のおかげで、より身近に感じられるこの頃。
連動するかのようにあちこちで絵巻物展示が続いている。
現在はばらばらに所蔵されている「平治物語」絵巻が、
この時期は三巻同時に見られるという好機。
先日は東京国立博物館の「ボストン美術館日本美術の至宝」展で、
海の向こうから里帰りしている”三条殿夜討巻”
http://www.boston-nippon.jp/highlight/02.htmlと、
同館所蔵の”六波羅行幸巻”
http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A9976
を見てその臨場感に感嘆し、
今日は”信西巻”を擁する静嘉堂美術館の「東洋美術の精華」展に足を運んだ。
http://www.seikado.or.jp/010100.html
長い絵巻物は、通常なかなかそのすべてを繰り延べて展示することは出来ず、
ここでは会期中、3回に分けて巻き替えを行う。
・第�鬼�(4/14〜4/26)：信西追捕の詮議と信西自害の場面
・第�挟�(4/27〜5/8)：信西自害から首実検までの場面
・第�郡�(5/9〜5/20)：都大路の武者行列(上図)と西獄門の場面
今回見たのは、第二期の信西自害から首実検までの場面。
逃げ切れず観念して山中で自害した信西の血に染まった身体、
手にしっかりと握りしめた刀が生々しく、
お付きの者たちに埋められたその遺骸が追手の手によって掘り起こされ、
その首を切り落とされて長刀に掲げられる酸鼻きわまる場面もリアル。
酷いこと、とは思うけれど、
さきの保元の乱では信西自身が敗者たちの斬首を強行し、
その首を獄門にさらしたのだから自業自得というべきか。
それにしてもたいへんなインパクト。
保元の乱の頼長の死のあたりがこういうふうに描かれていたとしたら、
胸が絞られるような気がしながらも、離れがたく眺め入ってしまうだろう。
ああ、運命の保元の乱まであと一ヶ月ほど、と思いはそこに向かってしまう。
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