備忘録、
第24回TIFF
『デタッチメント』(コンペティション)
インタビュー形式を挿入し、カットバックと巧みな編集で魅せるトニー・ケイ(『アメリカン・ヒストリーX』)の社会派映画。
荒廃した現代の学校の現場を臨時教員ヘンリー・バルトの目を通して語られる。
アメリカに限らず日本でも共通する深刻な学級崩壊問題。
互いに責任を押し付けあう学校と教師、板ばさみに合い逃げ場なく歪んでしまう生徒たち。
クローズアップを多用、手持ちカメラの臨場感を活用し、被写界深度の浅い描写はいやでもフィルムの中へ引きずりこまれる。
他にも広角レンズで対象に寄ったり、黒板でトリックを使った演出をしたりとテクニックを多様しているからといってギミックっぽくは感じない。
なぜなら脚本と役者の芝居に血が通っているから。
臨時ではあるが場数を踏んでいるらしく思えるヘンリー・バルト(エイドリアン・ブロディ)はじめ、ミスター・チャールズ・シーボルト(ジェームズ・カーン)らのシリアスでタフな言動は頼もしい。
徐々に変化の兆しが現れたかに思う反面、
些細なことで崩れ落ちる精神の未熟さもまた子どもならでは。
しかし問題は子どもにあるのではない。
挿入されるヘンリー・バルト教師のインタビューが常にこちらに訴えかけるように語られるのは「解決すべきは我々にかかっている」ことを示唆するのだろう。
無関心であることの罪が孤立を加速させる。
また、それは自分の家庭に問題を抱えるヘンリーが自らへ向けての言葉でもあろうか。
困難と悲惨な状況でも投げ出さない姿勢には訴求力がある。
さて、これでようやく昨年のTIFFはおしまい。
残る<宿題>はフィルメックスのみ!…ですが、しばし通常運行で。(苦笑)
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